スポーツジャーナリスト。 日本国内におけるツール・ド・フランス取材の第一人者。 自転車のほか、ボート、卓球、陸上競技、シンクロなどスポーツに関わる取材の守備範囲は幅広い。 本誌では創刊から編集に携わり、編集長を務める。
2014年初頭に始まった毎週水曜日掲載の当コラムでは、四半世紀にわたって取材しているツール・ド・フランスやその合間に見たフランス文化を中心に気ままに書きつづってきたが、今回が100話目。そこでボク自身のこれまでと2016年への思いをテーマにしてみた。
ツール・ド・フランスの全日程をMTBで追いかける日本人イラストレーターがいる。自転車専門誌でも筆をふるう小河原政男さんだ。キャンプ道具を満載した自転車でアルプスやピレネーの峠にも登る。1994年から始めた「追っかけ」の旅は2016年で23年目になる。
沖縄本島や八重山諸島など空路で移動する場所でサイクリングするときは、飛行機に手荷物として預けるのが一般的だが、最近は宅配便利用の自転車移送サービスが好評。サイクリング宿泊プランや安価を打ち出した航空会社と合わせて賢く利用したい。
美しいリゾート地でサイクリングを楽しんでもらおうと、ホテルチェーンや航空会社などが行政の観光開発団体や自転車業界と連携。魅力的なサービス提供を始めた。フランス最大手のアコーホテルグループが持つメルキュールホテル沖縄那覇もサイクリング宿泊プランを発表した。
舗装路ではなく、山道を走るトレイルラン。どんな地表でも確実にグリップする専用シューズ、走っても負担にならないバックパックは必需品。コンビニや自販機がないコースを走るだけにどう給水するかも重要だ。トップブランドとして知られるサロモンの最新ギアを試してみた。
ツール・ド・フランス記者という仕事がら、「自転車乗るんですよね?」と必ず質問される。もちろんシマノ・デュラエースで組んだクォータのKOMを持ってはいるが、ロケで必要に応じて乗る程度だ。
1998年にサッカーワールドカップ(W杯)フランス大会の決勝が行われたサンドニのフランス競技場で、過激派組織による無差別テロが発生した。世界で最も華やかな場所であるパリが標的にされた。人々の憧れの街であり、そしてツール・ド・フランスの最終到着地でもあるのに。
日本最大級のスポーツ自転車フェス「サイクルモード・インターナショナル」が11月6日~11月8日に千葉県の幕張メッセで開催され、多くの自転車愛好家でにぎわった。半世紀を経て日本の自転車ショーも様変わりしたが、今回はその変遷と課題に迫ってみたい。
山岳サイクリストの聖地と言われる群馬県上野村は、都会の文化から隔絶され、のどかな村人の生活のみが営まれるところ。神流川沿いを走る旧道があり、四方には走りごたえのある峠がいくつもある。忘れかけていた郷愁を取り戻せるルートはいま、紅葉のピークである。
ツール・ド・フランスがかつてよく訪問した近隣国の代表的存在が、ピレネー山中にあってフランスとスペインにはさまれたアンドラ公国だ。10月20日に発表された2016年のコースでは久しぶりにこの地を訪問することになって、かなりうれしいのである。
町から町へと転々とするツール・ド・フランスは、23日間とどまることなく移動を続ける特異なスポーツイベントだ。主役は自転車で走る198人の選手。それ以外のほとんどは関係車両で追従する。その数およそ3000台。
第103回ツール・ド・フランスのコースが発表された。2016年7月2日に世界遺産モンサンミッシェルの前からスタートするレースは、フランスを左回りに1周。前半にピレネー、後半にアルプスが控え、大会中盤の14日には魔の山モンバントゥーにゴールする。
毎年8500万人もの外国人旅行者が訪れるフランスは世界随一の観光大国だ。それだけにツール・ド・フランスがちょっと走れば世界遺産にぶつかる。美しい大自然や歴史的建造物をつなぎ合わせるように回るのだから、23日間のレースを追いかけながら観光旅行できるという魅力も。
谷川岳の紅葉がいよいよ10月中旬に見ごろを迎える。ロープウェイを使った登山や一ノ倉沢での岸壁アタックがまずは頭に浮かぶが、自転車でのんびり行くのも魅力。首都圏からのアクセスもいいので、今年は自転車でも紅葉狩りに出かけてみたい。
ガールズケイリンがこれまでの競輪=ギャンブルというカラを破りつつある。かわいらしい女性が色とりどりの国際競走用トラックレーサーで疾駆する。その華やかさが若い女性を魅了し、「ガールズケイリンを目指したい」という声をあちこちで聞くようになった。
ラグビー・ワールドカップで日本が南アフリカに歴史的大金星。夢物語のようなその瞬間に、これまで日本ラグビー界で尽力してきた人たちが歓喜したのは言うまでもないが、今から30年ほど前、ひとつのエピソードがこの快挙の出発地となったことも忘れてはならない。
テニスの全米オープンで初優勝が期待された錦織圭はまさかの初戦敗退だったが、男子車いすの部で2年連続6度目の優勝を果たしたのが国枝慎吾。リオや東京のパラリンピックでも金メダルの最有力候補だが、障害者による自転車競技にも世界ナンバーワンの実力者がいる。
2016年にブラジル・リオデジャネイロで開催される第31回オリンピック競技大会の出場権を争う戦いが、いよいよ各スポーツで本格化。自転車競技でも日本は総力を挙げて国別出場枠を取りにいく。今回はロードレースの五輪参加資格を解説してみたい。
ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランスとともに三大ステージレース、いわゆるグランツールと呼ばれるブエルタ・ア・エスパーニャ。23日間をかけてスペインをおおまかに一周するこのレースは近年、他の2大会以上に注目を集めている。
ツール・ド・フランスの総合優勝を争う勝負どころとなる秀峰を10カ所選んで紹介する連載コラムはいよいよベスト3。大会の期間中でなくてもヨーロッパのサイクリストが走りにやってくるスポットで、いつかは上ってみたい。絶景とともにその過酷さが味わえるはずだ。
ツール・ド・フランスで数々の伝説の舞台となった幾多の峠のうち、チャンスがあれば現地に自転車を持ち込んで上ってみたいところを10カ所選んで紹介する第2弾。上り坂は過酷だけど、周囲を見渡せば地上で最も美しい景色を満喫できるはずだ。
ツール・ド・フランスの勝負どころとなる山岳ステージの峠は、美しい大自然のまっただ中にあり、自転車で上ればもちろん過酷だが、素晴らしい一大パノラマを目撃することができる。一度は上ってみたいツール・ド・フランスの峠を選んでみた。
ツール・ド・フランス開幕直前のフランスでは1952年以来となる気温39度を超えた。この国は、日中の直射日光こそ厳しいものの朝夕は涼しくなるのでエアコンの普及率が低い。だから気温40度という天気予報が発表されたときは、生命の危機をも感じるほど不安になる。
今年もツール・ド・フランスの全日程を取材して無事パリにゴールすることができた。現地取材が四半世紀にもなると、フランス社会のなかで激変したことと、それとは対極にまったく変わらないものがあることに気づく。
美しすぎるモデル、日向涼子がツール・ド・フランス第19ステージ、サンジャンドモリエンヌ~ラ・トシュール間142kmを完走した。7月19日に行われた一般参加レース「エタップ・デュ・ツール」に挑戦したもので、暑さもあってこれまでで最も厳しいコースだったという。
フランスの西海岸、大西洋に面したバンデ県は自転車競技が盛んなところ。この地方出身のジャンルネ・ベルノードーがバンデUという地域チームを結成し、プロチームに昇格させた。それが新城幸也の所属する現在のヨーロッパカーだ。
第102回ツール・ド・フランスは自転車王国として知られるオランダで開幕した。市民の移動手段として愛される自転車だけに、それを駆使したスポーツに関心を寄せるのはあたりまえ。そして現地では「こんなことまでしてしまうのか!」と激しく感激したことがあった。
自転車ロードレースに西ヨーロッパ以外の選手が参加するようになったのは、1980年代になって米国選手が初参加してからだ。その後は南米、オーストラリア、旧ソ連、東欧、アジア、そしてアフリカ大陸へ。自転車文化不毛の大陸にそれをもたらしたのは1人の米国選手だ。
23日間の日程で開催されるツール・ド・フランスは国際自転車競技連合が定めた国際規定によって、2日間の休息日が日程に組み入まれている。フランス語で「ルポ=repos」と呼ばれるものだが、選手も関係者も必ずしも休日というわけではない。
ツール・ド・フランスを走る選手たちは、コース上に設定された補給地点でサコッシュと呼ばれる布袋に入った補給食を受け取り、それを食べながら走る。じゃあ、審判団や大会主催スタッフなどはどうしてるの? 実はスタート地点でお弁当が配布されるのだ。
ツール・ド・フランス。23日間をかけてフランスを1周する世界最高峰の自転車レースでは、選手も関係者も報道陣も毎日ホテルを点々とする。「一度は泊まってみたいホテル」なんて書籍やサイトが人気だが、じつはボクたちはナニゴトもなかったかのように利用している。
ツール・ド・フランスの開幕地が初めてフランス以外になったのは1954年。場所はオランダのアムステルダムだった。7月4日に始まる2015年大会はオランダのユトレヒト。同国第4の、3万人の学生が生活する学園都市であり、ミッフィーの作者ディック・ブルーナの出身地でもある。
ティンコフ・サクソのアルベルト・コンタドール(スペイン)が現在開催中のジロ・デ・イタリアで総合優勝に向けてばく進。7月にはツール・ド・フランスにも挑み、自転車界の金字塔である二大大会制覇を達成して、2016年には引退したいと語っている。
日本初開催のレッドブル・エアレースで予選トップタイムをたたき出したのがハミルトンのニコラス・イワノフ。ロシアとギリシャの血を引くフランス人だが、コルシカ島出身と聞いてボクが思い出したのは、『星の王子さま』の著者アントワーヌ・ド・サンテグジュペリだ。
前回当欄で「ツール・ド・フランスが一番で、ジロ・デ・イタリアは二番」と記述してイタリア好きから叱責されたが、ゴメンなさい。やはりイタリアはさすがです。5月9日に開幕したジロ・デ・イタリアの主催者提供写真から、世界随一のデザインやファッション性を見てみよう。
自転車ロードレースの二大大会と言えば、5月のジロ・デ・イタリアと7月のツール・ド・フランスだ。「ジロ」と「ツール」という単語はどちらも「一周する」という意味で、23日間の日程でそれぞれの国をおおざっぱに一周するというレースなのだ。
新緑が躍る5月は自転車で走るのが1年で最も快適な季節。国民の自転車安全利用の促進と、自転車を通じて国民の健康増進を図ることを目的として、毎年5月が「自転車月間」と定められている。だからというわけではないが、サイクリングは最高に気持ちいい。
東日本大震災で被害の大きかった三陸海岸は、宮城県気仙沼市や岩手県陸前高田市などで自転車レースが盛んに開催されていたところで、「走ることが復興支援につながる」と打ち出したサイクリングイベントも継続的に開催されている。
日本政府は2020年までに外国人旅行者数を年間2000万人に増やす計画だが、世界随一の観光大国フランスは8500万人と規模が違う。バカンス時期に開催されるツール・ド・フランスも地元フランス人を含めて1200万人が沿道に詰めかけるのだから現場は大混乱だ。
東京のど真ん中にあるオランダ・ベルギー両大使館を発着とするサイクリングイベントが4月12日に行われ、およそ300人が参加。ふだんは入場できない大使館のなかでココアやワッフルなどを味わい、新緑が芽ばえ始めた都内をのんびりと散策した。