近年のツール・ド・フランスは国際規定によって21レースと休息日2日で構成されている。同様に、23日間という最長のステージレースであるジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャも休息日は2日。大観客が期待できる週末に休息日が設けられることは興行的になく、疲れがたまり始めた第2週前半の平日、そして最後の勝負どころに突入する前の第3週前半の平日に設定される。
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2015ツール・ド・フランス、大会10日目の休息日には730kmの移動が待っている
取材者としてのボクが確信していることは、休日というのは選手のためにあるわけではないということだ。全日程を追いかける大会主催者、スタッフ、取材陣のためのものだと確信している。じつはそれだけ休日設定は絶妙だ。洗濯物がたまる、ストレスがたまる、仕上げなければならない原稿がたまる。すべてを解決して安息を与えてくれるのが休息日なのである。
はたして選手が休息日に体を休めているのかというとそうではない。選手は休息日前日のレースを終えると、たいていはその日のうちに休息日を過ごす町まで移動する。そして休息日はいつもよりのんびりと起床して、50km程度の練習に出発する。23日間も自転車に乗る選手たちだけに、いきなり自転車をこがない日が訪れるとコンディションを落としてしまうからだという。
【ツール・ド・フランスでは休息日でも選手たちは練習する 続く】