【アーカイブ2009年】性能、価格、ブランドの3拍子 ピナレロFP3…安井行生の徹底インプレ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【アーカイブ2009年】性能、価格、ブランドの3拍子 ピナレロFP3…安井行生の徹底インプレ

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【アーカイブ2009年】性能、価格、ブランドの3拍子 ピナレロFP3…安井行生の徹底インプレ
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2人のエンジニアに聴く、ONDAフォークのカタチに宿る意図 ただのデザインか、それとも機能的正当か







フロントフォークは相変わらず。下位グレードモデルにも関わらず、直安性、回頭性、減速性すべて一級。だが、4回も湾曲するその形状にはどのような意味があるのか、なぜいいのか、その理由を考えることなく、素晴らしいぞ最高だぞとオウムのように同じことを何度も繰り返しているばかりでは能がない。



乗れば確かに文句なくいい。僕だって過去に絶賛してきた。「コーナリングは痛快かつ意のまま、レーンチェンジは正確かつ自由自在」 「俊敏性にも安定性にも富んだピナレロのハンドリングには、ロードバイクを操る愉しみそのものが凝縮されている」 「このハンドリングだけでもピナレロを所有する価値は充分にあると思う」 …現象としては確かにそうなのだ。しかしそれはなぜなのか。このグニャグニャの形状にエンジニアリング的正義は宿っているのか。



まずは異業種、某有名二輪メーカーに勤務する知人のエンジニアにONDAフォークを考察してもらった。 彼曰く、通常のベンドフォークだと衝撃を受けたときにフォーク先端・フォーク根元・変形の中間部分 (曲線の頂点) の3箇所に応力が集中してしまう可能性があるそうだ (ストレートフォークだと先端と根元の2箇所になる)。



ONDAフォークを見た彼は、あくまでも推測にすぎないし、真意は設計者にしか分からないけど、と慎重に前置きした後、「このように何回も曲げる形状からは、応力を分散させる意図が感じられる」 と言った。4回湾曲させることでわざと弱い場所を何箇所か作り、フォーク全体に一様に応力をかけているのではないか、ということである。応力集中を避けることができるから不自然なたわみ方をせず、自然なハンドリング特性 (直安性・回頭性) が得られる。応力を散らすことによってフォーク自体を薄く (=軽く) でき、軽量性・快適性もプラスされる。



「フォーク断面積に大きな変化はないから左右方向の剛性変化は少なく、横剛性へのデメリットはなさそう。これぞCAE (Computer Aided Engineering=強度・性能などの特性を解析するコンピュータシステム) の恩恵だろうね」







知人の元フレームビルダー氏は、クロモリフォークを設計していたノウハウとONDAフォークのライディングフィールを元に、こう分析してくれた。



「通常のベンドフォークが衝撃を受けると、進行方向斜め前に向かってフォーク先端 (=ホイール) が動く。斜め前ということは推進力を妨げる方向でもあり、それはライダーに大きな衝撃として伝わるし、荒れた路面ではスムーズさが失われる。ONDAフォークに乗って感じるのは、推進力を邪魔しない方向にたわんでいるのではないか、ということ。鉛直方向、もしくはフォークコラムに沿った方向にストロークしているような感覚がある。マウンテンバイクのサスペンションのようなイメージ。フォーク中間部分で一回大きく曲げているのはそのような動きをさせるためではないか」



なるほど、これも一理あるような気がする。



しかし、もう一人の自転車系ベテランエンジニア曰く、



「ただ、カーボンは素材の種類、織り方、積層数、配置する方向などによって如何様にもその性格を変えることができる。金属と違って形状からだけでは判断できないのがカーボン。だから奥が深い。」 と。



結局、その異様な形状に機能としての意味があるのか否かは設計した本人のみぞ知るところだろうが、機能・性能に加え、同時に端整な美しさもが求められるロードバイクという乗り物において、このような歪な形状に説得力を与えられるブランドも、“機能に裏付けされた先進性” というイメージが定着しているピナレロだけだろう。弱小メーカーが同じことをやっても、あらあら二流デザイナーが遊んじゃったのね、と言われるのがオチである。これが (技術力を含めた) 「ブランド力」 というものなのだろう。







「ピナレロといえば金属」 というイメージはもはや過去のもの プリンスとは種を異にする “操る愉しさ” を持つ







ピナレロのミドルグレードカーボンバイクは、たった一年前と比べても見違えるほどに良くなった。FP3とFP6に乗った今、(あのドグマは別としても) 僕の脳にこびりついていた 「ピナレロといえば金属フレーム」 というイメージは完全に過去のものとなった。昨年乗ったFP5では、そこまで思わせてくれなかったのである。



だがこのFP3、その走りから “プリンス・カーボンらしさ” を感じ取ることは難しい。“プリンスっぽい” のはルックスだけ。尖がった性能は丸められ、万人に扱いやすく仕上げられており、「普通のロードバイクの延長線上」 により近づいている。これは批判ではなく、ターゲットユーザーの用途を考慮すれば当然のことであり、そうするべきことである。プロならいざ知らず、僕レベルの人間が普段使いするのであれば、プリンス・カーボンよりもFP3のほうが乗りやすく、「操る愉しさ」 もFP3が上だと感じることが多いだろう。



だからもしFP3について、「プリンス・カーボンの性能を低価格で…」 などと書いている文章があったとしても、それは乗っていないか、何も考えずに宣伝文句を鵜呑みにしているか、嘘っぱちである。プリンス・カーボンのような絶対値の高い高性能ではなく、FP6の全方位的高性能に近い。







オリジナルカーボンクランクの形状が適正ではなく小さいQファクター&ガニ股気味でペダリングするライダーはクランクにシューズを擦りやすいとか、トップチューブ後端のブレーキワイヤー排出口の向きが不適切で骨盤の狭いライダーはブレーキアウターが内腿に当たってしまうとか、リアブレーキワイヤーのメンテナンス性が最悪だとか、ベテランライダーなら細かい欠点の2、3も指摘できるだろうし、「プリンス・コンプレックス」 なんて言葉が頭をかすめたりもするけれど、現段階のミドルグレードカーボンバイクとしては、最も高い完成度に到達している一台である。



フラットで分厚いトルク。ビシッと締まった安定感。しっとりとした接地感。バイクの次の動きが容易に予測できる抜群のバランス。高いカーボン技術力を土台にした総合性能は極めてファン・トゥ・ライド。そのスタイリングは雨の日には部屋から出したくないほどに華麗だし、雨の日に部屋の中で眺めているだけでもオーナーをそわそわさせるほどダイナミックだ。



ただ、スポーツバイクが流行商品と化している現在、これが将来の名車となり得るか、と問われれば、僕は答えに窮してしまうだろう。その成り立ちや存在をイージーと見るか否かは、受け取る人の価値観による。しかしスポーツバイクにタイムレスな価値などを求めない人にとっては、性能、価格、そしてブランドの3拍子揃ったこのFP3ほど魅力的なモデルはないだろう。僕ごときがここで何をほざこうが、FP3はおそらく大ヒットする。爆発的に売れると思う。一週間で300kmを走った者として、少なくともロードバイク最大の魅力である 「性能」 は保証する。 その品位を見極めるのはあなた自身だ。





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