【山口和幸の茶輪記】ツール・ド・フランス欠場の新城幸也…ブエルタに備えて充電中 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】ツール・ド・フランス欠場の新城幸也…ブエルタに備えて充電中

オピニオン コラム
ベルビルシュルビーにある自宅の庭でくつろぐ新城幸也
  • ベルビルシュルビーにある自宅の庭でくつろぐ新城幸也
  • ベルビルシュルビーにある自宅の庭でくつろぐ新城幸也
  • 新城幸也
  • リビングのキャビネットには5つのツール・ド・フランス出場記念メダルが並ぶ
フランスの西海岸、大西洋に面したバンデ県は自転車競技が盛んなところ。この地方出身のジャンルネ・ベルノードーがバンデUという地域チームを結成し、プロチームに昇格させた。それが新城幸也の所属する現在のヨーロッパカーだ。

「U」というのはスーパーマーケットの「スーパーU」の略だ。1980年代からフランスのプロチームにスポンサーをしてきた企業だが、拠点はこのバンデ県だ。そういった意味でヨーロッパカーは現在も地元企業にバックアップされて活動を続けていて、今年のツール・ド・フランスでチームの出場選手がすべてフランス人で構成されたのは仕方のないことだ。

新城はベルノードーのブイグテレコム(ヨーロッパカーの前身チーム)に加入して以来バンデ県を拠点として活動している。2年間はレゼサールにあるチーム所有の城館に住んでいたが、2011年になって近くにあるベルビルシュルビーという小さな町に引っ越した。日本語に直訳すると「人生における美しい村」という意味で、新城が住むのは若い家族が多い新興住宅。子どもたちが遊んでいる姿が目につき、新城家の愛犬「小輪=コリン」も人気者だ。


新城幸也

2011年の開幕地はバンデ県だったので、序盤の3日間は新城家に泊まった。ところがツール・ド・フランスの出場選考から当の本人が漏れ、全日本選手権のために帰国していた新城はそのまま日本に残った。それほどまでにショックだったのだろう。あるじのいない家でボクのほうはパソコンが壊れてしまい、レース現場には行かずに彼の家にひとり残って修復作業をしていた。

そして今年もベルビルシュルビーに泊まりに行った。第9ステージ終了後は740kmにおよぶ移動があったのだが、その途中に新城の家があって、今度は新城自身が出迎えてくれた。2011年以来の欠場はとても悔しかったようだが、すでに気持ちを入れ替えて出場が決まっている8月22日開幕のブエルタ・ア・エスパーニャに向けて充電中だ。まだコンディションを高めていく時期ではないので、今は体重を増やさないようにしながら食事をとっているという。


リビングのキャビネットには5つのツール・ド・フランス出場記念メダルが並ぶ

7月中旬には、毎年のオフシーズン合宿に乗り込みをするタイに移動して、ブエルタ・ア・エスパーニャのための調整に入る。8月上旬にフランスに戻り、地元レースを走ってベストの状態でスペイン入りしたいという。

「グランツールで日本人初のステージ優勝という目標は変わっていないです」と新城。ジロ・デ・イタリアも完走しているが、ブエルタ・ア・エスパーニャは初出場になる。
《山口和幸》

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