ただし問題もある。ツーリングの際、気の利いたお洒落なレストランに行くとビンディングシューズに付いたクリートのせいで断られることがあるのだ。たしかに金属のクリートが出っ張っているのでウッドデッキなどにキズをつけてしまう。
先日も取材で迎賓館にロードバイクで行ったとき、屋内の見学は遠慮してしまった。普段はなかなか屋内に入れるチャンスがないのでとても残念だった。ロードバイクでクルマの試乗会に行くときのように、軽量な薄く折りたためるシューズを持ってくるべきだったと後悔した。
■MTB用クリートカバーはないの?
実は私が使っているロードバイク用シューズは、ソール部分が硬く曲がらないロードバイク用のものではなく、MTB用のもので折り曲げることができる。と言うのは、取材にロードバイクで出かけたときにそのまま歩いたり、クルマを運転するためだ。
ロードバイク用シューズならクリートカバーが販売されているのだが、ショップで聞いたらMTB用はないそうだ。歩くと「カチッ、カチッ」と音がするし、金属のクリートが消耗する。また私の好きなApple Storeでは階段がガラスでできているため、クリートが触れないようにかかとでペンギンのようなヨチヨチ歩きで登るのだが結構大変だ。
クリートカバーをネットで探したが、MTB用シューズに合う適当なものがない。そこでたどり着いたのが、Skonv氏のブログ『SPDのクリートカバー代用品を探して三千里』だ。なんと靴用品を展開するコロンブスの「ハンディユキダスタウン 男女兼用フリー」というゴム製カバーが紹介されていた。
「これだ!」と思った。ハンディユキダスタウンは本来、雪道でスリップ防止のために靴底に取り付けるもの。金属のツメなどはなく、全部ゴムでできているのでガラスでもきれいな木目の床でもキズつけない。
早速インターネットで購入。価格はペアで980円(税抜き)と抜群のコストパフォーマンスだ。全体にはマスクのゴム版みたいなもの。つま先に引っ掛けるゴムの輪っかの部分が短そうに見えたが、良く伸びてくれ、しかもぴったりと装着できた。
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右がハンディユキダスタウンを着けた状態だ
見事にクリート部分は覆われ、これなら安心。実際に歩いてみると今まで「カチッ、カチッ」と鋭い音がしていたのが消えて快適に。ゴム部分が出っ張って歩きにくいかと想像したが、特に違和感なく歩ける。
ハンディユキダスタウンそのものは小さく折りたたむと手のひらに乗るサイズでとてもコンパクト。これから取材やツーリングの際にバッグに忍ばせれば、立派な床のレストランでも堂々と入れる。Skonv氏に感謝したい。