【Next Stars】より厳しい環境を求め、ハンガリーで闘う…ハンドボール銘苅淳選手 2ページ目 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【Next Stars】より厳しい環境を求め、ハンガリーで闘う…ハンドボール銘苅淳選手

オピニオン コラム
より厳しい環境を求め、ハンガリーで闘う…ハンドボール銘苅淳選手
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  • インタビュアー大日方と銘苅選手
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---:日本とハンガリー、違いはありますか?

銘苅:日本人は走るのが好きなので、走ってばかりなんです。練習時間も長いですし。その分ヨーロッパはめちゃめちゃパワフル。僕は日本では全然速い選手ではなかったのですが、ハンガリーに行くと監督に「銘刈をつかまえられるやつはいない」と言われるほど、両国ではプレーにギャップがあります。日本は島国ということもあってか、ややドメスティックな部分もありますね。

ハンガリー人は1000万人もいない。東京の人口よりも少ないんです。でも、クラブチームは100程度ある。町にはその町のクラブがある。さらに、ゴールデンタイムに全国放送があるほどハンドボールが盛んです。それに比べると、日本リーグはとうてい盛んとは言えません。経営状態も苦しく、自由度も低いです。ハンガリーは、ハンドボールがひとつの文化であり、週末は毎週ビールを呑みながら地元のチームを応援します。そういった文化が人生の楽しみであり、人生を豊かにすると思うんですね。



---:なぜハンガリーを選んだのですか?

銘苅:社会人4年目に監督ともめてしまって、試合に出ることができなくなってしまったので海外にいこうと思いました。元々指導者を目指していたので、海外のハンドボールを学びにいきたかったという理由も強いです。

本当はドイツ2部リーグのチームに行こうと思っていたんです。保健費用もチームが出してくれるなど、とてもいい条件でした。ですが、僕が行く直前に3部に落ちてしまった。すっかり焦ってしまい、筑波の時代のコーチに「コーチの勉強をしにいきたい」と熱意を伝えて、そこでなんとかハンガリーリーグに選手としてお世話になる手はずを整えていただいたんです。

でも、初めにお世話になったチームは3カ月でつぶれてしまいました。試合に出ていたこともあって隣町のチームに運良く移籍できましたが、僕、その(つぶれた)チームから100円ももらっていないです(笑)。

日本リーグの環境は素晴らしいです。会社から守られているし、遠征の際も宿泊先は確保されているし、選手ができなくなっても正社員として残れるのでクビにならない。ハンガリーは過酷な環境です。ハンドボールだと特に「日本人にハンドボールができるの?」という目で見られる。言葉も通じないし、コンビニなんてないので生活も難しく、向こうにいってもいいことないですよ。僕は自己満足だと思っています。


ハンガリーの新聞でも紹介された

---:日本とハンガリーでプレーの差はありますか?

銘苅:プレースタイルの質が違います。日本人は身体ができていない。日本で「弾が速い」と称されているようなレベルの選手は、ハンガリーだと18歳のユースチームにもチラホラいます。

根本的に外に視点をもった選手が少ないので、ヨーロッパ遠征とか行っても日本代表なんて相手にされなかったりします。日本代表が、ヨーロッパ遠征に行ってフランスの2部リーグ選手と試合をしたりするんです。

---:日本ハンドボール界の課題は?

銘苅:リーグの仕組みですかね…。あとは、スポーツに対する考え方を変えていかないと。日本のスポーツはどうしても学校体育が中心なので、町のクラブが育たず、「自分が好きなスポーツを自分でするのに、なんでお金を払わなければいけないの?」という考え方の人が多数になってしまうんです。相撲、歌舞伎、能はもとより、野球やサッカーも文化として根付いてきている部分はあるのかもしれませんが、ハンドボールはまだまだ。

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【より厳しい環境を求め、ハンガリーで闘う…ハンドボール銘苅淳選手 続く】
《編集部》

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