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なぜ『ブンデスリーガ』に観客が集まるのか…特殊なリーグ構造と歴史を紐解く

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ブンデスリーガ・参考画像
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FCバイエルン・ミュンヘンは、幅広い年齢層の人々が参加している7つの市民スポーツ部門を所有している。プロサッカー部門はそのフェラインを筆頭株主とする株式会社だ。

企業がもつフェラインとして有名なバイヤー・レバークーゼンも、5つのプロスポーツの他に、乗馬、カヌー、釣りなど30の市民クラブを有している。その会員数は実に4万8千人を超える。

市民部門へのバイヤー社の負担は年間1500万ユーロから1700万ユーロ。これはプロサッカー部門への支出とほぼ同額である。こうした市民への支援と市民からの支持があるからこそ、バイヤー・レバークーゼンには「50+1ルール」の例外措置が認められてきたのである。逆に企業の視点からいえば、地域と密接に結びついたフェラインには、それだけの投資価値があるのだ。

Jリーグのお手本ともなったドイツサッカーの表面だけをなぞるのではなく、歴史的、文化的背景を踏まえる必要性を指摘してきた釜崎氏は、次のように締めくくった。

「原点回帰しますが、あるフェラインでおこなわれたボランティアによるケーキ販売が、週末の2日間だけで1000ユーロ(約130万円)を売り上げたという、近年の実例が伝えられています。フェラインの固有性が生み出す財産が、また固有性へと還元されるのです。私たちがドイツに学ぶべきは、こうした固有性を育むことの重要性なのではないでしょうか。Jリーグ百年構想といわれますが、問題はその百年の間に私たちが何をなすべきか、を考えることです。だからこそ、ドイツの何に私たちは学ぶことができるのか、その社会的な文脈も踏まえ、ドイツが経験してきた百年の過去について、確かな認識をもつ必要があるのです」

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《大日方航》

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