■もっとうまくなるしかない
今シーズンのJ3は3月13日に開幕した。一方でトップチームはACLとの関係で、平日の11日にヴィッセル神戸をホームの味の素スタジアムに迎えて第3節を戦っている。
つまり、10日にはヴィッセル戦でベンチ入りする18人と、SC相模原のホーム・相模原ギオンスタジアムに乗り込む13日のJ3開幕戦に臨むメンバーが確定していた。
果たして、今夏のリオデジャネイロ五輪に臨むU‐23日本代表で、背番号「10」を託される中島翔哉はトップではなく、ユース所属の高校生たちも名前を連ねるU‐23の一員としてプレーしていた。
「まあ、こうなるとは思っていなかったので」
短い言葉に忸怩たる思いを込めた中島は、自らに言い聞かせるようにこう紡いでいる。
「みんながそれ(トップチームでのプレー)を望んでいるはずなので、納得はしていないです。自分は努力を続けて、もっと上手くなるしかないと思っています」
大宮アルディージャと対峙した2月27日の開幕戦ではベンチ入りを果たし、後半23分からピッチに投入された。一転して第2節からは、3試合続けてリザーブにすら名前を連ねていない。
J3では2試合連続でフル出場しながら、しかし、中島はトップチームを率いる城福浩監督へのアピールだけに走ってはいない。実際、FC東京U‐23の安間貴義監督は、相模原戦で左MFとしてフル出場した中島のプレーに一定の評価を与えている。
「正直、前半は(中島)翔哉のもとになかなかボールが入りませんでした。我慢を強いられる状況で、相手の右サイドバックに背後を取られないようにポジションを正確に取り続けていたし、ウチの左サイドバックに入ったユースの子を気遣いながら指示を出して、パスコースによく顔を出していた」
(次ページ 武者修行)
《藤江直人》
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