2015年の錦織は8月にロジャーズ・カップでナダルに初勝利、トップ10の選手全員からの白星を達成した。
「(トップ5の選手は)すごく近く感じている。どんどんチャンスは出てくると思うので、自分がしっかり良いテニスができれば、可能性はあると思う」と、初のナダル越えも果たした錦織は上位定着に自信をのぞかせた。
■全米オープンではプレッシャーがあった
2014年5月に初めてトップ10入りした錦織は、2015年3月には世界ランキングを自己最高の4位まで上げ、トップ5定着が期待された。だが全米オープンでは1回戦でブノワ・ペールに敗れ敗退。前年準優勝だった錦織は大きくポイントを失い、その後は疲労やケガの影響で調子を崩したこともありランキングを8位まで下げた。
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全米オープン、ペール戦の錦織
調子を落とすきっかけになった全米オープンを振り返り、インタビューで以下のように語っている。
「2014年の全米オープンがすごく良かったので、自分にすごく期待していたのもあった。逆に言うとプレッシャーも自然とかけていた。守りのテニスというわけでもないが、ミスを恐れた部分があった」
■勝負所のミス、攻めた結果に悔いはなし
ペールとの試合で錦織は、第1セットを落としたものの第2、第3セットを連取、第4セットもタイブレークで先に6-4のマッチポイントをつかんでいた。錦織の逆転勝利は目前かと思われた。しかし、勝負所で突いたフォアの逆クロスが決まらず最大の好機を逸した。このセットを落とすと第5セットも4-6で奪われ、錦織は敗れた。
勝負を分けた一球について、「マッチポイントだったので、もったいなかった」と振り返る。
「少し焦っていた部分もあった。でも攻めたボールだったので、自分から攻めてミスした分にはしょうがないかな。そこからまた5セット目でレベルを上げきれなかったことが敗因だと思う」
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錦織はペールに敗れる
この敗戦から調子を落とした錦織。本人にとっても悔やまれる一球かと思われたが、あのプレーに後悔はないと話す。
「あんまり僕は昔のことを考えないタイプなので、なるべくポジティブに。2015年は波もあったが、1年安定して結果が出た年でもあり、トップ8で終われたのも事実。すごく充実した1年だったと思う」
■必要なのは自分のテニスを貫く強さ
過ぎたことは考えず、自然体で前向きに取り組んでいくと言う。打倒トップ5に向け大事なことは、いかに自分のテニスができるかだと繰り返した。
「なるべく『自分のテニス』を貫きたい。よりトップの選手になればなるほど、自分のことを研究してくるので、そういったところで対応できるようにしたい。『自分のテニス』をしっかりしていくことが大事」
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錦織圭
2016年はオリンピックイヤーだ。マスターズ大会、グランドスラムでの初優勝のほか、リオデジャネイロ五輪での活躍も期待される。錦織も「ブラジルはジュニアのころ何度か試合したことあるだけ。行けるのを楽しみにしている」と、スポーツの祭典を心待ちにしていた。
1月18日から全豪オープンが始まった。今シーズンの行方を占うグランドスラム初戦で、上位に進出することはできるか。