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アディクトシリーズに明日はあるのか vol.1

オピニオン インプレ
アディクトシリーズに明日はあるのか vol.1
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安井行生のロードバイク徹底インプレッション
安井行生プロフィール

5年目のアディクトシリーズに明日はあるか?
スコット快進撃の起爆剤となった名作CR-1に代わって、ブランドのアイコンとなったアディクトシリーズ。F01の市販が見送られたため、デビューから5年目を迎えたこのレーシングフレームが今年もスコットロードカテゴリーの中核を担うことになる。ライバルが次々と魅力的な新型車を市場に投入する中で、アディクトは今でも存在感を示すことが出来るのか?セカンドグレードR2で300kmを走り、その正体を暴く。
(text:安井行生 photo:我妻英次郎/安井行生)
未だにアメリカンブランドと思われている方も多いと思うが、スコットはスイスのブランドである。アメリカで創立した会社だが、当時のスコット本社とスコット・ヨーロッパとの間にMOBなどの一連のなんやかんやがあった後、スコットは現在、スイスに本社を置くスコット・スポーツ社となっている (らしい)。今季はブランドロゴをシャープなものに一新している。
トップブランドがロードフレームの素材をカーボンに移行しつつある頃、スコットはトップモデルにチーム・イシュー・スカンジウムというド派手な鏡面仕上げの軽量スカンジウムフレームを据え、「金属支持党」 として一台もカーボンモデルを持たないまま奮闘していた。この時期の有力メーカーでまだカーボンに手を出していなかったのは、キャノンデール、ピナレロ、スペシャライズドくらいのものだった (事実、03ツールの機材を伝える当時の記事には 「アルミで有名なスコットもとうとうカーボンフレームをエース選手のみに供給…」 という趣旨の文章が記載されている)。しかしスコットはその頃からフレームの軽量性には並々ならぬ執着をみせており、チーム・イシュー・スカンジウムは金属フレームながら1000g以下という軽さを誇っていた。その頃から、「軽量性」 はスコットの大きなアイデンティティとなっているようだ。
とはいえ、これはロードバイク側単座から見たイメージである。実はスコットがカーボンを手掛けたのは1992年 (フルサスペンションバイク) とかなり早い。それだけ早い時期からMTBにカーボンを使い始めたスコットがなぜ2003年までカーボンロードフレームを作らなかったのかは謎だが、2004年シーズンに近代ロードフレームエンジニアリングの開拓車となるCR-1を発表しロード界を席巻、その後、世界最軽量フレームとして2006年に発表したのがこのアディクトシリーズである。
2006年のジロ・デ・イタリアにサウニエルドゥバルの主力マシンとして華々しくデビューしたアディクトは、シモーニ、リッコ、ピエポリ、モーリら猛者達によって勝利数を稼ぐ。日本国内でも、2006年にはリッコが、2007年にはモーリがジャパンカップを制している。その後は、カヴェンディッシュがアディクトを駆ってプロツアーで大暴れし、2010ツールで5勝を挙げた。
スコット快進撃の起爆剤となったCR-1に代わって、ブランドのアイコンとなるべく誕生したこのレーシングフレームの基本シルエットはCR-1シリーズから引き継がれているが、CR-1で採用されたパーツ毎に成形し溶着する 「Weld Grue製法」 から、複数のパーツを一体成形する 「Integrated Molding Process製法」 (トップ、ヘッド、ダウンチューブを一体成形するセミモノコック) へと、フレーム製造方法がスイッチされている。
アディクトシリーズのトップグレードフレームはHMXカーボン (50tグレードのカーボンがベース) を使用しているが、スコットの日本総代理店、ゴールドウィンには残念ながらトップモデル (アディクトRC) の試乗車が (現時点では) 存在しないため、今回俎上に載せるのは、HMFカーボン (30tカーボンベース) を素材とするセカンドグレード、アディクトR2となる。アルテグラとマヴィック・キシリウムエリートで組まれた完成車の他、フレーム販売もされている。
2010年のツールなどでテストされていたF01は未だ開発途上にあるらしく、今年の発売は見送られた。それは決して何かの後継モデルとなるわけではなく、快適性を担うCR-1、圧倒的な軽さと剛性を持つアディクトと並ぶ、新しい基軸の一つとしてラインナップされる予定である。
全容
スペック
キャプション
熟成したスコットのカーボンテクノロジー
ただ太いだけでなくメリハリのある形状
太い太いと思われているスコットのカーボンフレームだが、細いところはしっかりと細い。形状とチューブ径などをコントロールし、形状によって性能をコントロールしようとしていることが分かる。
例えば、このアディクトシリーズで採用されたインテグレーテッドBB。BBベアリングをフレームに内蔵することで得られる最大のメリットは、ダウンチューブ幅やチェーンステー取り付け位置を広げ、ハンガー部の設計自由度を大幅にアップできることにある (マドンも695も、インテグラルBB化することでハンガー幅の最大まで各チューブを大口径化して取り付けている=ダウンチューブとチェーンステーが成す 「壁」 にBB穴がポッカリと空いているような状態)。しかしアディクトのダウンチューブやチェーンステーの取り付け幅は、さほど広くない。それこそ、ダウンチューブもチェーンステーも、「BB内蔵にする必要がない」 ほどの幅に留まっている。そこには、フレームと一体となった 「擬似BBカップ」 が存在するのである。BBシェル部まで一体形成するということはハンガー剛性に少なからず影響を与えるだろうから、これは過剛性を避けるための形状であると推測する。その他にも、フォークブレードの下半分や、チェーンステー、シートステーはしっかりと細い。メリハリのある形状を持っている。
軽快だが軽薄ではない
今年で5シーズン目を迎えるロングセラーとなるこのアディクトシリーズの次男坊は、カヴェンディッシュのあれやこれやから想像するほど絶対的な剛性は高くないと (最初は) 感じる。しかし、よく走るフレームである。よく転がるバイクである。絶対的な剛性を感じさせないまま、抵抗なくコロコロと走り出し、スイスイと坂を駆け上がってくれる。それはスコットのカーボンテクノロジーがいよいよ熟成してきたことを意味しているとも言えるだろう。ヘッドだけがいやに硬いとか、バックだけが引きずるというような、アンバランスさが全くない。
しかし、少し脚に力を込めてみると、表面がしなり切った後すぐに硬質な芯にぶち当たる。実はかなり硬いフレームであることが分かるのだ。ダンシングで振ってみると、フレーム全体がわずかにしなり、ギュッとしなりきったと同時にフレームの 「芯」 に脚がガチンとぶつかり、ハンガーが瞬時にパンと戻る。表面 (しなりの初期段階) にちょっとしたしなやかさを設けることで万人に対して乗りやすく設計されているが、シリアススプリンターにも十分対応できる剛性を持たせている。扱いやすいアディクトを裏で支えているのは、このコチンコチンのフレームの 「芯」 だ。これが、セカンドグレードながら手練れ達を驚かせる実力を持つアディクトR2の正体である。よって、軽快だが軽薄ではない。どっしりとした重厚感がある。
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