【THE SPIKE】中田翔、生来の兄貴肌で侍ジャパンを牽引 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE SPIKE】中田翔、生来の兄貴肌で侍ジャパンを牽引

オピニオン コラム

中田翔 参考画像(2015年11月21日)
  • 中田翔 参考画像(2015年11月21日)
  • 中田翔(左)と筒香嘉智(2015年11月21日)
  • 中田翔 参考画像(2015年11月15日)
  • 中田翔 参考画像(2015年11月8日)
  • 中田翔 参考画像(2015年11月21日)
  • 中田翔 参考画像(2013年2月24日)
  • 中田翔 参考画像(2013年3月6日)
2015年、自身初となる30本塁打を達成。2年連続で100打点をクリアし、4番としての重責を果たした日本ハムの中田翔内野手。

2017年春頃開催の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも、4番候補のひとりであることは確かだ。4年に一度の大舞台を目前に控えた今シーズン、どんな活躍を見せてくれるだろうか。


中田翔

■4番としての進化

日本ハムに栗山英樹監督が就任以来、毎シーズン4番を託されている中田。過去3年間の数字を振り返ってみると、4番として年々進化していることがうかがえる。2015年の30本塁打、102打点はキャリアハイ。打率は2014年と比較して少々低下したものの、選んだ四球は2013年45個、2014年58個、2015年64個と年々増加している。

一方で目につくのが、2014年が89個、2015年が120個となった三振数の増加だ(※1)。長距離砲の宿命といえば聞こえはいいが、今シーズンの中田は三振の数をいかに減らすかに思考をめぐらせているという。

「昨シーズン、三振の数が多かったことは常に意識していたし、走者を置いた場面で簡単に三振してしまったら何もない。そこは深く考えるようになった」と意識の変化を見せる。

今シーズンはこれまで52打点を挙げており、パ・リーグトップ。12本塁打は同3位につけている(6月8日時点)。

※:2015年の最多三振数は西武・中村剛也内野手の172個

■名将は日本の4番に中田を推す

国際大会で侍ジャパンが編成されるたびに「誰が4番を打つ?」と話題になる。今年3月に行われた侍ジャパンとチャイニーズ・タイペイとの強化試合では、1試合目に中田翔が4番に座り、2試合目に筒香嘉智外野手(DeNA)が4番を打った。精彩を欠いた中田のバッティングに対し、筒香は弾丸ライナーで右翼席中段に運ぶ2点本塁打を放つなど、4番としての存在感を見せつけた。


筒香嘉智(右)と中田

侍ジャパンの小久保裕紀監督は第4回WBCのメンバーについて、昨秋に行われた世界野球プレミア12に出場した選手をチームの骨格に据えることを示唆している。すなわち、4番候補は中田と筒香の2選手に絞られていると言っても過言ではない。その他ではプレミア12にも参加し、当初4番を任されていた西武の中村剛也内野手も候補だろう。

そんな侍ジャパンの4番に中田を推しているのが、名将・野村克也氏だ。野村氏は4番の条件に「長打が打てること。相手バッテリーが怖がること」を挙げ、その1番手が中田だと言う。「わずかな力をバットに伝えているから、バットの軌道が狂わない」と技術面からも中田の成長を認め、侍ジャパンの4番候補の筆頭だとしている。

■恐怖の6番の再現も期待したい

確かに4番に座る中田も魅力的だが、プレミア12の活躍を振り返ってみると、6番に座る中田にも期待感がもてる。

第2回WBCで侍ジャパンを率いた原辰徳氏は、打線を組む際のコンセプトを侍にちなんで「一の矢、二の矢、三の矢」と表現していた。1番・イチロー、2番・中島宏之、3番・青木宣親を一の矢とし、つなぎの4番・稲葉篤紀、5番・小笠原道大、6番・内川聖一を二の矢、7番・福留孝介、8番・城島健司、9番・岩村明憲を三の矢とした。下位打線が上位打線と何ら遜色のない、切れ目がない恐怖のオーダーで世界の強豪に挑んだ。



プレミア12ではケガのため招集されなかったソフトバンクの柳田悠岐外野手、内川聖一内野手らも代表候補に入ってくることが想定される。守備位置の兼ね合いもあるが、打線の厚みが増すようなことになれば、恐怖の6番・中田の再現が現実味を帯びるかもしれない。

■短期決戦がハマりやすい?

プレミア12での中田の活躍は神がかっていた。全試合に出場し、大会通算8試合で打率.429、3本塁打、15打点をマーク。一塁手としてベストナインと打点王に輝き、1次ラウンドでは決勝打を3本も放ち、無類の勝負強さを発揮した。

栗山監督は中田について、「翔にはひとりでチームを勝たせられる能力がある。これは特別な能力」と常日頃から語っているが、まさにそれを体現したような大車輪の活躍だった。4番での出場は一度もなかったが、ことごとくチャンスが中田にまわってきた。5番や6番といった打順で気負うことなく打席に入れたことも、結果を残せた要因だったのだろう。

中田は気分屋で精神状態がバットにも表れやすいタイプ。その分、集中力を持続しやすい短期決戦は向いているのかもしれない。プレミア12での活躍が示すように、ハマった時は手がつけられない。

2014年にはパ・リーグのクライマックスシリーズで、ポストシーズン新記録となる4試合連続の本塁打を放った(※2)。中田に当たりが出るか出ないかが、国際試合を戦う上で大きなカギになりそうだ。

※2:3試合連続は中西太、バースらが記録

■頼れる兄貴分としての立場

中田は2013年に開催された第3回WBCのメンバーにも名を連ねたが、当時はチーム最年少。日本ハムで先輩だった稲葉篤紀や糸井嘉男、さらには阿部慎之助や松井稼頭央、鳥谷敬、井端弘和らそうそうたる実績をもつ年上の選手に囲まれていた。


松井稼頭央(右)らと中田

しかし、プレミア12では筒香をはじめ、大谷翔平(日本ハム)や山田哲人(ヤクルト)、中村晃(ソフトバンク)など後輩が増えて、先輩となった。生来、兄貴肌の中田は後輩選手には気さくに振る舞う。モチベーションアップのために、シーズンで設定した目標を達成した後輩に対して、ポケットマネーから賞品を進呈する「中田賞」というユニークな賞を設けている。

プレミア12では中田の前を打つ筒香が出塁し、中田が返すというシーンを幾度となく目にした。「塁に出れば、中田さんが返してくれるので」と試合後に語る筒香の横で、兄貴オーラを醸し出していた中田は頼もしく見えた。

第4回WBCでも、中田には若い侍たちを牽引してもらいたい。そして、プレミア12で見せてくれたような神がかった活躍を、再び見られることを期待している。
《浜田哲男》

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