Jクラブのホンネは女子サッカーから撤退したい?…なでしこリーグが抱える闇 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

Jクラブのホンネは女子サッカーから撤退したい?…なでしこリーグが抱える闇

オピニオン ボイス

なでしこジャパン 参考画像
  • なでしこジャパン 参考画像
  • 日本女子サッカーリーグ2部(なでしこリーグ)に所属する女子サッカークラブ、「スフィーダ世田谷FC」のトップチームマネージャーを2016年まで勤めていた(現FC東京ホームゲーム運営支援スタッフ)千葉恵美さん
  • 日本女子サッカーリーグ2部(なでしこリーグ)に所属する女子サッカークラブ、「スフィーダ世田谷FC」のトップチームマネージャーを2016年まで勤めていた(現FC東京ホームゲーム運営支援スタッフ)千葉恵美さん
  • 日本女子サッカーリーグ2部(なでしこリーグ)に所属する女子サッカークラブ、「スフィーダ世田谷FC」
  • 日本女子サッカーリーグ2部(なでしこリーグ)に所属する女子サッカークラブ、「スフィーダ世田谷FC」のトップチームマネージャーを2016年まで勤めていた(現FC東京ホームゲーム運営支援スタッフ)千葉恵美さん
  • 日本女子サッカーリーグ2部(なでしこリーグ)に所属する女子サッカークラブ、「スフィーダ世田谷FC」
  • 日本女子サッカーリーグ2部(なでしこリーグ)に所属する女子サッカークラブ、「スフィーダ世田谷FC」
  • 日本女子サッカーリーグ2部(なでしこリーグ)に所属する女子サッカークラブ、「スフィーダ世田谷FC」
日本女子サッカーリーグ2部(なでしこリーグ)に所属する女子サッカークラブ、「スフィーダ世田谷FC」のトップチームマネージャーを2016年まで務めていた(現FC東京ホームゲーム運営支援スタッフ)千葉恵美さん。

明治大学の釜崎太准教授が開講するゼミの講義で、日本女子サッカーの課題について臨時講師として講演した。

千葉恵美さん


日本サッカー協会(JFA)によると、およそ100万人といわれる日本のサッカー人口のうち、女子サッカーの人口は約4万人だ。女子サッカー人口は、なでしこジャパンの活躍などで増え続けてはいるものの、千葉さんによると「少子化かつ、日本全体の人口が減っているため、急激な伸びは期待できない」という。

国際サッカー連盟(FIFA)によると、2015年時点で、FIFAランキング世界一位の米国女子サッカー人口が約160万6000人であるのに対し(2017年3月24日時点では2位)、当時FIFAランキング2位の日本女子サッカー人口は約3万5000人(2017年3月24日時点では6位)であった。

このように競技人口差が圧倒的にあるのにも関わらず、なでしこジャパンは2011年のドイツW杯で優勝、2012年のロンドンオリンピックで銀メダル、2015年カナダW杯で準優勝と、過去、世界規模の3大会で決勝戦まで出場している。

「世界的にも、女子サッカーはトップレベル。コンテンツとしての力は非常にあると言えます。その一方、日本のトップ選手が所属するなでしこリーグは、世界の選手を呼び込むようなことはおろか、国内の選手をきちんと受け入れる仕組みが整えられていません。特定のチームに選手が偏ってしまう傾向がある」と女子サッカーの問題点を指摘した。

日本女子サッカーリーグ2部(なでしこリーグ)に所属する女子サッカークラブ、「スフィーダ世田谷FC」


経営事情についても千葉さんは言及した。

なでしこリーグ1部には10チームが所属しているが、そのうちの6チームは運営母体をJリーグのチームとする。例えば、なでしこリーグ発足時から加盟しており、唯一2部降格がない「日テレ・ベレーザ」の運営会社は東京ヴェルディ1969フットボールクラブだ。

しかし、なでしこチームを保持することが運営母体にとって経営的にプラスになることは少ないという。

「JFAが『女子サッカーのチームを持つように』というガイドラインを掲げているため、Jリーグの各クラブは女子サッカーチームを安易に手放したりはしないはずですが、おそらく『女子サッカーから撤退したい』と思っているのではないでしょうか。なぜなら、基本的に赤字だからです。実力的にもそうですが、経営的にもうまくチームをまわしているのは、株式会社化した『INAC神戸レオネッサ』くらいでは」

また、なでしこリーグの特徴として、大学を運営母体とするチームも多い。なでしこリーグ2部には、「日体大FIELDS横浜」や、「FC吉備国際大Charme」などのクラブが存在している。

この運営方法も、女子サッカーにおける格差を生み出す可能性を孕んでいる。それは、「外国人選手のビザ」問題だ。「スフィーダ世田谷FC」にも、ハワイより来日した「ALLISON KAGAWA」選手がいる。「ALLISON」選手は、加入希望時から、実際の加入まで1年を要した。

「運営母体を大学法人とするチームは『留学生ビザ』を簡単に出すことができますが、私たちのようなチームはビザを出すことができません。「ALLISON」選手のビザは、『保育園の英語教師』という就職先を見つけることで労働ビザを発行してもらいました。このあたりも、まだまだ女子サッカー界が整っていない部分です」

最後に、千葉さんは「女子アスリートの選択肢」の問題にも警鐘を鳴らした。

「国立スポーツ科学センター主催のアンケートによると、日本における18歳以上の女性アスリート521名のうち、4,4パーセントしか配偶者がおらず、子どものいる割合は1,8パーセントだということでした。米国(の配偶者率)は3~4割だというのに。これはまさに日本の女子アスリートが、家庭生活や育児と、アスリート生活の両立に悩まざるを得ない状況を表しています」
《大日方航》

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