「無敗で優勝を決められたことは嬉しく思う。でも、ここからがまたスタートだ!」
2ステージ制を復活させる動きに対して、レッズはサポーターとともに反対の立場を貫いてきた。実際に再導入が決まった後は、サポーターからこんな思いを託されてきた。
「ファーストもセカンドも全部獲って、新しい大会方式に対してNOを突きつけてほしい」
目指すのは年間総合勝ち点1位となり、スーパーシードとしてホーム&アウェーで行われる12月のチャンピオンシップ決勝へ進出することだ。
手にしたタイトルは目標達成への一里塚であり、必然的に6月27日に埼玉スタジアムで行われたアルビレックス新潟とのファーストステージ最終戦も消化試合とはならない。
果たして、熱い思いを共有している4万3606人の大観衆の前で、レッズは怒涛のゴールラッシュを披露。5対2でアルビレックスを一蹴して、新たなスタートを切った。
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阿部勇樹(左)と浦和レッズ
ホームで9戦全勝と無類の強さを発揮したレッズは、1試合平均で4万777人を動員。2013年シーズンの3万7100人、昨シーズンの3万5516人を大きく上回っている。
現状の数字のまま推移すれば、2009年シーズンを最後に遠ざかっている70万人の大台到達も見えてくる。サポーターが与えてくれる力の大きさを噛みしめながら、阿部は再び3月4日の夜に思いをはせる。
「サポーターと喧嘩したとよく言われるけど、そんなことはないんです。熱くなっちゃった部分はもちろんあるけど、正直な意見をぶつけてくれた彼らに対して、このタイトルで少しは返せたかなと思う」
いぶし銀の存在でありながら、肝心要な場面では、その内面に秘められた真っ赤な思いを解き放つことも厭わない。頼れるキャプテンに率いられたレッズはつかの間のオフを経て、7月1日からセカンドステージへ向けて始動する。