今季限りで引退したロサンゼルス・レイカーズのコービー・ブライアント。数々の記録を打ち立てたレジェンドの去り際は、現役選手にとっても特別なものだった。
引退試合で対戦したユタ・ジャズのラウル・ネトが、当日の熱狂ぶりを振り返っている。
「兄弟からもからかわれたよ。トレーナーやサインをねだるべきだとね。だが試合の時にはすでに何千人ものファンやメディアがいて、全員が彼を取り囲んでいたから近づくことすらできなかった」
今季NBA(米国プロバスケットボールリーグ)デビューを果たしたネト。最初のシーズンでコービーの引退試合に出場できたことは幸運だったと語る。
「僕にとって特別な経験だった。すべてのバスケファンが見ていた試合だ。僕も彼の最後の姿を見たかった。ネネとも話してたんだ。彼のために喜ぶべきことなのか、自分たちを悲しむべきなのか分からないとね。彼にとっては良い試合だったから。キャリア最後の試合で60点を決めることができた。僕らはその対戦相手として60点を決められてしまった」
コービーの引退に花を添えるためディフェンスを甘くしたのではとも言われたが、ネトは「真剣にプレーした結果だよ。相手はコービー・ブライアントなんだ」と楽しそうに当日のプレーを思い出していた。
《岩藤健》
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