前週、てっとりばやく体脂肪率を下げたいなら有酸素運動じゃなくて筋トレだ!と紹介しておきながら、結局のところ体脂肪を燃焼させるのは有酸素運動なのである。
■やっぱり有酸素運動
呼吸をしない無酸素運動は爆発的なパワーを発揮させる糖質しか燃焼させず、脂肪をしっかりと燃焼させるには有酸素運動しかない。呼吸によって肺の中に取り込まれた酸素は血液と一緒に身体じゅうに運ばれ、毛細血管のすみずみまで行き渡る。このときに皮下脂肪を燃焼させて、脂肪をエネルギーに置換させる。脂肪はゆっくりと燃焼するので大きなパワーは出せないが、持久的運動をこなせるのである。
有酸素運動の代表は自転車、ランニング、ちょっと速めのウォーキング、エアロビクスなど。どれも継続的にこなせば体脂肪は必ず落ちる。しかし「最も効率的に」体脂肪を落とすためには絶妙の運動強度で身体を動かす必要がある。
つまり重要なのは「有酸素運動の強さ」だ。感覚的には「はあはあ」とちょっと胸がはずむくらい。それ以上の激しい運動でも、それ以下のマッタリとした運動でも脂肪燃焼効果は期待できなくなる。
この感覚を数値で表示してくれるのが心拍計(ハートレートモニター)。クルマで言えばエンジンのタコメーターだ。1分間の心拍数を身体に取りつけたセンサーによって検出し、ワイヤレス送信などによってモニター表示される。
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■自分の心拍ゾーンを知る
これまでは胸にセンサーベルトを装着する必要があって、それはとても恥ずかしくてわずらわしかったのだが、最近は各社から手首で計測するタイプが市販されるようになり、腕時計のような気軽さで心拍数が分かるようになったのが画期的だ。
脂肪を最も効率的に燃焼させる心拍ゾーンは年齢などによって個体差があるが、効率的な心拍ゾーンを算出する計算式がある。
220ー年齢=最大心拍数
(最大心拍数ー安静時心拍数)×0.7で算出された数値にさらに安静時心拍数を足す
こうして算出された数値が「エアロビックリミット心拍数」だ。この数値を超えると運動が激しすぎるので毛細血管に血がめぐらず体脂肪が燃焼されない。だから心拍計でこの上限を超えないように運動する。その上でリミットにできるだけ近い「ターゲット心拍ゾーン」で「はあはあ」と運動すればいい。
例えば40歳で安静時心拍が60の場合、1分間144拍が上限心拍数となる。50歳で安静時心拍が60の場合、1分間137拍が上限心拍数となる。130~140前後の運動をランニングでやったら意外とキツくて30分しか持続できないと思うが、サイクリングはギヤの重さやペダル回転数を自分で調節してターゲット心拍数をコントロールできる。だから自転車がフィットネスには一番いいと言われているのだ。