【THE REAL】東京ヴェルディを輝かせる高木善朗&大輔…史上4組目の兄弟アベックゴールへ 3ページ目 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE REAL】東京ヴェルディを輝かせる高木善朗&大輔…史上4組目の兄弟アベックゴールへ

オピニオン コラム
高木善朗 参考画像(2013年12月06日)
  • 高木善朗 参考画像(2013年12月06日)
  • 高木善朗 参考画像(2012年03月30日)
  • 高木善朗 参考画像(2012年03月30日)
  • 高木善朗 参考画像(2012年05月25日)
  • 高木善朗 参考画像(2012年05月27日)
  • 高木大輔 参考画像(2013年09月12日)
  • 高木善朗 参考画像(2012年03月30日)
  • 高木善朗 参考画像(2013年12月06日)
ならば、性格はどうなのか。今度は善朗に聞いてみた。

「大輔はしっかりしているんですけど、やっぱり甘えん坊と言っちゃあ甘えん坊ですね。僕は自由人といったところじゃないですか。兄貴が真面目で几帳面なので、その下でいろいろと自由にね。兄弟それぞれが違うところがありますけど、それはそれでよかったかなと」

2011年6月にオランダのユトレヒトへ移籍。エスパルスで再び俊幸とチームメイトとなり、出場機会を求めて復帰した古巣で大輔と初めてチームメイトとなった善朗は、ヴェルディへの愛をこう語る。

「このクラブのいいところは、ジュニアからユースまでみんながつながっていること。そして、そういう選手たちがプロになって、一緒にプレーできることなんです」

たとえば横浜FC戦では先発のうち8人をユース出身者が占め、善朗の途中出場で9人に増えた。Jリーグ全体を見渡しても極めて希なチーム構成に、善朗は「楽しかったですよ」と声を弾ませる。


高木善朗 参考画像

「これがヴェルディの狙いであり、理想じゃないですかね。育成出身者だけで、というのは難しいと思いますけど、(育成出身者のなかに)違う選手が入り、チームとして上手く機能していけば、ヴェルディは素晴らしいチームになると思っているので」

言葉通りにチームは横浜FCを6対1で粉砕。約4年ぶりとなる5連勝ともに3位にジャンプアップし、2位のジュビロ磐田との勝ち点差を「2」にまで詰めた。

昨シーズンはJ3への降格危機に直面し、クラブワーストの20位に甘んじたかつての名門軍団は、J1へ自動昇格できる2位をいまや完全に射程距離にとらえている。

まさに成長途上にあるチームを献身さと底知れぬスタミナ、そして5試合で5ゴールという爆発力で大輔がけん引している。そして、5試合すべてで途中出場して攻撃のアクセントを加えながら、7月22日のロアッソ熊本戦で決勝ゴールを決めるなど、少しずつ居場所を築いているのが善朗となる。

その善朗が加入してから、破竹の連勝劇は幕を開けた。来年のリオデジャネイロオリンピックへの出場資格を有する大輔は、「みんなが善朗に刺激を受けている」とこう続ける。

「僕もそうですけど、ポジションがかぶっている選手も、善朗が来たことで『取られたくない』と間違いなく奮起している。オリンピックには3兄弟で誰も出場していないので、目標にしたいとは思いますけど、自分のレベルではまだまだ無理かなと。点を取っているだけは入れない世界だと思っているにで、もっと、もっとアピールしていきたい」

善朗自身は、大輔とのアベックゴールが幻となったことをまったく意に介していない。むしろ「もっと大事なことがある」と笑顔でこう語った。

「チームがいい形で勝つことですね。その意味で、ゴールを決めなきゃいけない選手が前線にいたので。菅嶋や(澤井)直人、ハタ(畠中慎之輔)は大輔と同じくらい、それこそ彼らが小学校3年生のときから見てきた可愛い後輩ですからね。育成組織の先輩として、一生懸命に頑張っている彼らに点を取らせてあげたかった。僕もこのクラブで平本一樹さん、飯尾一慶さんという憧れの先輩たちとプレーしてきたので。まあ、後輩たちが自分を憧れているかどうかはわからないですけどね」


高木善朗 参考画像

横浜FC戦で通算4枚目のイエローカードをもらった大輔は、累積警告で15日の徳島ヴォルティス戦に出場できない。それでも気持ちを切らさず、敵地で戦うチームの勝利を信じながら、愛媛FCをホームの味の素スタジアムに迎える23日の第30節へ向けて心と体の準備を整える。

愛をもって他チームや大学からヴェルディへ加入してきた中堅やベテラン勢が土台となり、その上でテクニックに長けた育成組織出身の若手たちが縦横無尽に暴れ回る。ブラジル人の「助っ人」がポジション争いに加われないほど、いま現在のヴェルディは攻守両面で充実している。

まさに理想的なベクトルは、2008年シーズン以来遠ざかっているJ1へまっすぐに伸びている。チームの心技体が完璧なハーモニーを奏でている限り、決して遠くない将来に、善朗と大輔による史上4組目のアベックゴールも生まれるはずだ。
《藤江直人》

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