今回取り上げるのは、欧州サッカーのインターナショナル・チャンピオンズカップから、マンチェスター・ユナイテッド対FCバルセロナの一戦です。
サッカーのシーズンオフ、各国を渡っての親善試合やプレシーズン大会では補強を踏まえてのチーム作り、来季の生き残りをかけたチーム内競争、スターティングメンバーの選考など、様々なチーム状況を見ることができます。
もちろん、こうしたチームビルディングや競争はシーズン中にも行われますし、勝敗を無視することはできませんが、プレシーズンマッチでじっくりチームの未来を占うというのも楽しみのひとつです。今回は2011年のチャンピオンズリーグ(CL)決勝の再現となった、ユナイテッド対バルセロナの試合から、互いのチーム状況を見ていきます。
この2チームは補強という面で、今夏大きな違いがありました。ユナイテッドはバスティアン・シュバインシュタイガーを筆頭に大型補強を敢行し、夏の移籍市場の顔となった一方、バルセロナは未成年選手の登録規定違反によって来年1月まで補強禁止処分を受け、昨季と同じメンバーで戦うことを強いられています。
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バスティアン・シュバインシュタイガー
とはいえ、移籍したスター選手がすぐにチームにフィットするとは限りません。ユナイテッドは昨季、ラダメル・ファルカオやアンヘル・ディ・マリアといったスター選手を獲得しながらも、彼らの本来の素質を生かすことはできませんでした。そういう意味では昨季のヨーロッパ王者であるバルセロナに軍配が上がるのかというとそうでもなく、MSNの愛称が定着したリオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールのトリオのうち、メッシとネイマールを欠いたために爆発力は大幅に低下。結果、2011年のCLでは辛酸を舐めたユナイテッドがバルセロナに対して3-1と、CLのスコアを逆転させて勝利を収めました。
【移籍で明暗分けた両者のチーム内競争に期待 続く】