今回取り上げるのは、ロサンゼルス・クリッパーズ対サンアントニオ・スパーズのプレイオフ1回戦です。
このカードは毎試合しのぎを削る戦いが繰り広げられましたが、最終7戦までもつれ、その全試合を背景から結果まで、まとめて取り上げます。
■全員バスケで連覇がかかったスパーズ…主力の怪我が影響しシーズンもつれる
プレイオフ1回戦の中で、この両チームの戦いが屈指の好カードになることは、誰の目にも明らかでした。
昨年の覇者にして名将グレッグ・ポポヴィッチ率いる全員バスケットで連覇を狙うサンアントニオ・スパーズ。
一方、NBA現役最高クラスのポイントガードのクリス・ポールを筆頭に、フォワードのスターであるブレイク・グリフィン、今シーズンのリバウンド王のデアンドレ・ジョーダンなど、スター級のプレイヤーを揃えるロサンゼルス・クリッパーズ。
これほどの好カードがプレイオフ1回戦から生まれたのは、連覇を期待されていたスパーズが主力の度重なる怪我などもあって、シーズン終盤までホームコートアドバンテージを得られない位置に留まっていたことにあります。
それでもポポヴィッチの采配や戦術によってプレイオフ圏内を守りながら、上位でのシーズン終了を虎視眈々と狙っていました。
■最終戦でスパーズがニューオーリンズ・ペリカンズに敗れ、スパーズがプレイオフに突入
ついにホームコートアドバンテージを獲得して迎えた最終戦の相手は、ウェスタン・カンファレンスでのプレイオフ出場の座をかけて戦うニューオーリンズ・ペリカンズ。
負ければスパーズはホームコートアドバンテージを失い、ペリカンズはプレイオフ進出を逃すという互いにモチベーションの高い中、試合を制したのはペリカンズでした。
かくして昨シーズンの覇者が1回戦からアウェイでの勝利が必須となる厳しい戦いに身をおくことになったのです。
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