自転車競技の中でも精神的・肉体的に最も苦痛が大きいと言われるアワーレコード。6月7日に54.526kmの新記録を打ち立てたウィギンスは、「出産のときの感覚と限りなく近い」と苦しみを表現した。
この日、トレードマークだったもみ上げとヒゲを剃り落して現れたウィギンス。アレックス・ダウセット(モビスター)の記録を約1.5km更新する偉大な記録を打ち立てた。
会場となったロンドンのリー・バレー・ベロパークには、伝説の選手ミゲール・インデュラインも訪れ、ウィギンスを祝福した。インデュラインはツール・ド・フランスを5連覇し、1994年に当時のアワーレコードを樹立している。
ウィギンスはスカイ時代の2012年にツールを制し、アワーレコード更新も達成。インデュラインらと並んで、自転車界の中でふたつの大きな偉業を成し遂げたことを喜んでいた。
「達成できて、本当にうれしい。出産のときの感覚と限りなく近いだろう。すごく苦痛だった。最後にこうなるなんて絶対わからないんだ。パリ~ルーベ以降の強化練習は長かった」
「妻と子どもたちは、(アワーレコードの走りに影響する)気圧について誰よりも詳しくなったよ。ロミンゲル(※)、インデュラインら偉大な選手の仲間入りができて、うれしい」
※トミー・ロミンゲル。デンマーク人。ブエルタ・ア・エスパーニャで3度総合優勝し、アワーレコードも更新した。
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