小学生時代から怪童と呼ばれた。同世代では常に飛び抜けた存在だったため、何もしなくても味方がパスをわたしてくれた。十代のころに染みついた悪癖はなかなか矯正できない。プレースタイルの幅を広げる試行錯誤を積み重ねながら、宇佐美はこうも考えてきた。
「オフ(・ザ・ボール)から点を取ることも大事だけど、自分の一番の形はオン(・ザ・ボール)から点を取ることなのではないか」
日本代表としてプレーしたい。それでも、自分だけがもっている最強の武器はスポイルしたくない。心のなかに生じていたジレンマを取り除き、潜在能力を一気に解き放ってくれたのが、ウズベキスタン戦で途中出場する直前にハリルホジッチ監督からかけられた言葉だった。

ハリルホジッチ監督と宇佐美貴史
相手ゴール前では「個」を前面に押し出す。遠慮なんてする必要はない。ドリブル開始からネットが揺れるまでの4秒間のプロセスからはいっさいの迷いが消え、逆に「自信」の二文字が満ちあふれていた。
代表2試合目で決めた待望の初ゴール。平成4年生まれの22歳のストライカーは、初めて招集された4年前からの歳月を含めて「長かった」と振り返った。その間にはブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘンとホッフェンハイムへ期限付き移籍し、ともに事実上の戦力外となる悔しさも味わわされている。
「やっとスタートが切れたというか……代表を意識した上でドイツにも行ったし、やはり初ゴールは感慨深いものがありますね」
【日本中を震撼させた代表初ゴール…宇佐美貴史 続く】