【飯島美和のケ・セラ・セラ】 語学を“語楽”にするために | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【飯島美和のケ・セラ・セラ】 語学を“語楽”にするために

オピニオン コラム

ツール・ド・ランカウイにて。現地の観客と楽しそうに話すアンソニー。何語で会話しているのだろ?
  • ツール・ド・ランカウイにて。現地の観客と楽しそうに話すアンソニー。何語で会話しているのだろ?
  • フランスのヨーロッパカーにあって英語で会話している2人。カナダ人のアンソニーはフランス語と英語がネイティブ。リトアニア人のナタナエルはフランス語勉強中
  • スペイン人のコンタドールをイギリス人のカベンディシュが祝福。何語でなんて声をかけたかな?
レースシーズン真っただなかの4月下旬、ベルギーでのレース取材をパスし、フランスの自宅でひとり、つかの間の休み。そんなときに限ってクルマが故障…。保険会社に電話して、レッカー車でディーラーまで運んでもらい、故障の状況を伝える。まるでフランス語の問題を出されているような気分。

結局、クルマは1週間ほどで修理から戻ってくるけれど、以前は絶対にこんなこと自分1人でできなかった。自分でなんとか伝えなければ、なにも解決しないと、必死に言葉を探すも、言いたいことがわかってもらえず、英語で話し始めたら電話を切られたこともあったし、未だに自分のフランス語の未熟さに落ち込む。フランスで生活していればこんなことは日常茶飯事だ。

◆日本語に守られた日本人

海外旅行から帰ってきて、やっぱりもっと英語が話せたらなぁ~とか、よし、明日から語学を学ぶぞ!という思いをした人は多いだろう。レース取材に行けばアジア人が1人もいないプレスセンターでは英語でもない言葉が飛び交っていて、いったい何語で挨拶すればよいのかとためらうこともあるし、おしゃべりな私が何日間も無口になっているのはツラかった。

でもそれは自分でが高い高い言葉の壁を建てていただけだったのかもしれない。そう思えるほど、みんないろいろな国の言葉で話しかけてくれる。私を見て、「アリガトー」「コンニチワー」と、とにかく知っている言葉であいさつしてくれようとしているのが伝わる。

そしてなんとか会話しようとお互いに頑張ってみる。案の定、話は通じてなくても、お互いがなにかを伝えようとする気持ちは通じる。それは立派なコミュニケーションだ。

そういえば、生粋のフランスチームと言われたヨーロッパカーにも、今はイタリア、カナダ、ドイツ、リトアニア、日本とフランス以外の国籍の選手がいる。もちろんフランス語が共用語だが、あまりフランス語が話せない選手には英語が話せる選手がミーティングの内容を訳して伝えたり、チーム内でフランス語以外の言葉がずいぶん飛びかっている。

◆フランス人はフランス語しかしゃべらない?

フランス人は絶対にフランス語しか話さない。なんて言われてたけど、そんなことはない。「これ、日本語でなんていうの?」と聞かれることも多くなった。

しぶしぶ勉強するよりも、こういう環境に触れて、もっと話したい、伝えたいと思うことが語学上達の近道かもしれない。語学をどんなに学んでも、海外生活では言葉で苦労することは多いが、たくさんの人と話せた方が楽しい。

だから、語学を楽しもうと思う。音を楽しむと書いて音楽ならば、私の“語学”は語を楽しむと書いて“語楽”(ごがく)としよう。
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