その出来事が起きたのは、『ウエストバージニア大学』対『カンザス大学』のバスケの試合。アメリカでは、カレッジバスケットボールが大人気だ。特にNCAAなどは、アメリカ版の甲子園バスケとも表現されており、アメリカ人のバスケに対する関心の高さが伺える。
この試合にも、多くの観客が集まっていた。そんな中、まさかのハプニングが。
試合前に国歌を歌う予定だった歌手が、吹雪のため間に合わなくなってしまったのだ。そこで代役を務めたのは、警官だった。
ウエストバージニア大学の警察官である『カールトン・スミス』さんは、この試合の日に偶然勤務をしていた。彼は試合の直前、スタッフに「試合まで間を持たせてくれ!」と頼まれ、これを承諾。たった一人でコートに立つ羽目になったのだ。
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コートに出たスミスさんは緊張した面持ち。肩にも力が入っていた。
「大丈夫なの…?」と静まり返る客席。しかし、スミスさんが歌い始めると、あっという間に客席の空気が変わった。
とても素人とは思えないゴージャスな歌声に、客席は大歓声。
実はスミスさん、アメリカの非常に有名なオーディション番組「アメリカン・アイドル」に出場経験があるほど素晴らしい歌唱力を持った男性であり、それを知っていたスタッフが、彼に無理なお願いをしたそうだ。
スミスさんの歌声は多くの人に感動を与え、試合はウエストバージニア大学が見事勝利を収めた。その後、他の試合でも歌って欲しいと依頼が来たそうだ。