埼玉スタジアムにUAE代表を迎える、9月1日のワールドカップ・アジア最終予選の初戦へ向けて、8月28日から埼玉県内で行われている日本代表の直前合宿。試合の関係で1日遅れて合流した岡崎は、2シーズン目を迎えたレスター・シティにおける立ち位置を包み隠すことなく打ち明けた。
「間違いなく点取り屋としては認められていないけど、それ以外の部分では認められている。もちろん自分はゴールを狙っているけど、周りがそれを求めていないこともあって、自分が欲しいところにパスが来ないこともある。周りのレベルも高いなかでいろいろと模索しているけど、自分はこうしなきゃ試合に出られない、という点も理解している。チームがうまくいかないときに自分を必要としてくれるし、それに応えなきゃいけないと思っているので」
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岡崎慎司 (c) Getty Images
すでに3試合を消化した2016‐17シーズン。昇格組のハル・シティとの開幕戦でよもやの黒星を喫したレスター・シティは、アーセナルとの第2節から岡崎を先発として復帰させる。
岡崎が守備のスイッチを入れる役割を果たし、スコアレスドローで勝ち点1を獲得すると、続くスウォンジーとの第3節で初勝利。クラウディオ・ラニエリ監督をして「このチームにおける、彼のベストゲームのひとつだ」と言わしめたのは、2戦連続で先発した岡崎の一挙手一投足だった。
ゴールをあげているわけでも、味方のゴールに絡んでいるわけでもない。前線からの守備で献身的かつ精力的に走り回り、黒子に徹し続ける。昨シーズンから意識して演じてきた汗かき役が勝利に必要不可欠だと、開幕戦でつまずいたチームにあらためて認めさせた。
■日本代表ではゴールハンター
一転してバヒド・ハリルホジッチ監督に率いられる日本代表では、ゴールハンターの大役を託される。UAE代表戦でも、間違いなくワントップとして先発。チームを白星発進に導くゴールを狙う。
「出場するからには、ゴールしないと意味がない。このチームに一番必要なのは自信だと思うし、自信を手に入れるためには勝たないといけないし、勝つためにはゴールを奪わないといけない。自分が点を取るという強い気持ちをもって、チームを引っ張っていけたら。もちろんそれだけじゃないけど、それ以外のプレーというのはあまり意識しなくてもできる自信があるので」
ここで二度繰り返した「それ」をゴールに置き換えれば、ハリルジャパンにおける岡崎の立ち位置がより鮮明に見えてくる。レスター・シティと同じく誰よりも汗をかきながら、フィニッシャーだけでなく、味方のゴールに絡む役割をもまっとうしていく。
ハリルジャパンでは本田圭佑(ACミラン)と並んで、チーム最多の8ゴールをあげている。そして、頑張り屋と点取り屋という“2人”の岡崎は、実は密接にリンクしている。両者のギャップが乖離しているほどに、岡崎を成長させる糧にもなってきた。
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岡崎慎司 (c) Getty Images
ここまでのサッカー人生を振り返ってみれば、岡田ジャパンで15ゴールをあげて頭角を現した2009シーズンは、清水エスパルスでも14ゴールをマーク。日本代表と所属クラブの両方で点取り屋を演じた。
順風満帆に映った軌跡が狂い始めたのは翌2010シーズン。エスパルスでは13ゴールをあげたものの、日本代表では3ゴールに甘んじ、初めて臨んだワールドカップを前にワントップ失格の烙印も押された。
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