鬼気迫る小笠原のプレーを後方から見ていた昌子は、あらためて脱帽の思いを禁じ得なかったという。
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2010年の小笠原
「今日の(小笠原)満男さんのプレーを見てもらればわかりますけど、球際で果敢に攻めまくって、本当にMVPに値するプレーだったと思う。ソガさん(曽ヶ端)ももちろんですし、モトさん(本山)も本当は試合に出たいはずなのに、ベンチからずっと声を出して僕たちに経験を伝えてくれた。本当に偉大な1979年組だと思いましたし、先輩たちの背中を見て僕たちも学んでいるところがまだまだ多い」
背中を見るだけではなく、踏み台にして前へ進んでいけ。もっとも、そう簡単には道は譲らない――。小笠原の言葉には、こんな真意が込められていたはずだ。
勝利を告げるホイッスルを合言葉に、ベテランと中堅および若手のガチンコ勝負がさらに火花を散らし、その際に発生する情熱がチームを成長させるエネルギーとなる。10月31日に勝ち取ったナビスコカップの本当に価値はここにある。