【小さな山旅】茨城県の山と同名、同字異訓の山を探してみた…雨引山(1) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【小さな山旅】茨城県の山と同名、同字異訓の山を探してみた…雨引山(1)

オピニオン コラム
御獄山の登山道。前日から降り続いた雨は上がり、曇り空の中を登山開始。地面がぬかるみ滑るが、雨に濡れた木の葉が艶っぽくて良い雰囲気を出している。
  • 御獄山の登山道。前日から降り続いた雨は上がり、曇り空の中を登山開始。地面がぬかるみ滑るが、雨に濡れた木の葉が艶っぽくて良い雰囲気を出している。
  • 13:30 JR水戸線の岩瀬駅に車を停めて、登山スタート。駅には300円で駐車できるスペースが7台分ある。駐車場脇に、「御獄山入口1.1k」と書かれた指標あり。
  • 指標に従い歩いていく。踏切を渡って、しばらくアスファルトの道が続く。
  • 駅近くの旅館の方から頂いた桜川市ハイキングマップ。
  • 14:00 御獄山の登山口到着。いきなりの分岐。関東ふれあいの道と書かれた看板に従って進むと、不動滝に出る。その後、写真向かって左の道と合流。
  • 不動滝。木で出来た水路から水が落ちる。なかなかの風情。東屋あり。
  • 14:22 御獄山頂上直下の東屋に到着。登り道が続いたので、ちょっと一休み。
  • 東屋からの眺め。岩瀬の街並みがよく見える。晴れていれば、栃木県の山だって見えたはず。あいにくの梅雨空。
梅雨まっさかりの7月上旬の茨城県。週末に雨がぶつかることが多く、なかなか山歩きをする機会がない。

晴れの日を待っていたらいつ登れるかわからないので、雨の日に相応しい山を探すことにした。そうして登ることに決めた山が、雨引山と御獄山の縦走ルートだ。決め手は「雨引山」という名前に惹かれたから。山名に「雨」が入っているので、梅雨っぽくていいかなと思っただけである。

筑波連山の最北端に位置するのが御嶽山で、そのすぐ傍らに雨引山が連なっている。御嶽山と聞くと、嫌が上でも2014年の御嶽山噴火を思い出すに違いない。噴火したのは、長野県と岐阜県をまたがる標高3067mの山であり、当然茨城県桜川市にある標高231mの御嶽山とは全く別物である。全国には、「御獄山」と同字の山が他にも多数あるらしい。

茨城県の山々を歩いてきて、同名もしくは同字異訓の山に出くわすことが多いことに気付く。以前に登った浅間山(せんげんやま・344m・茨城県かすみがうら市および石岡市)もそうであったし、今回、御獄山とともに登った雨引山(あまびきさん・409m)もそのひとつで、他県にも同じ漢字を用いた山がある。

・雨引山(あまびきやま)1371m(長野県)
・雨引山(あめびきやま)413m(三重県)
・雨引山(あまびきやま)510m(和歌山県)

これは面白いと思い、茨城県の山と同名および同字異訓の山をネットを駆使して探してみた。

例えば、富士山(3776m)。ご存知日本一の高さを誇る山であるが、同字異訓の山は全国に"山"ほどある。茨城県だけでも、

・富士山(ふじやま)128m(笠間市)
・富士山(ふじやま)162m(石岡市)
・富士山(ふじさん)183m(常陸大宮市・御前山富士と呼ばれている)

の3山がある。他には、茨城県で唯一の百名山・筑波山の男体山(871m)と女体山(877m)。同県内にも奥久慈男体山(653m)があり、同じ奥久慈に長福山(496m)という山があるのだが、こちらは岩山である男体山と対照的な穏やかな山容から、女体山という別称を持っている。

茨城県のお隣、栃木県にも男体山と女体山がある。有名なのはこちらも百名山である日光男体山(2485m)。それと対になっているのが、女峰山(2483m)でこちらも女体山の別称を持つ。栃木県の那珂川町には、正式名称で女体山(409m)がある他、遠く離れた香川県には女体山という山が3つもあるそうな。

御獄山・雨引山と同じ筑波連山の弁天山(べんてんやま・414m・茨城県石岡市および桜川市)も全国に同名の山が多数あり、中でも徳島県徳島市にある弁天山は標高何と6.1m。地形図に記載されている自然の山の中では、日本一低い山として宣伝されているとか。低山ハイカーの筆者としては、是非とも行ってみたい山である。

茨城県には神栖市にも、もうひとつの弁天山がある。神栖市にある弁天山は、標高27mの超低山。徳島市の弁天山に低さでは劣るが、登山チャンスの少なさでは神栖市の弁天山が勝る。神栖市の弁天山は、工業団地内の火力発電所の中にあり、日曜日には登山不可能。平日でも事前に許可を取る必要があるのだ。

このように、同名および同字異訓の山は調べ出したらキリがない。面白がって調べ出したのはいいが、弁天山まで調べたところで、この果ての見えない作業に飽き飽きした筆者は、静かにパソコンの電源を落としたのであった。
《久米成佳》

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