■ズームを着用しているアスリートたち
●アリソン・フェリックス(オリンピックメダル6個獲得)
体重はたった125ポンド(約56kg)で、獲得したオリンピック金メダルが4つ。アリソンはスピードそのものだ。現在はランニングに専念しているが、高校1年で初めてトラックに立った時、自分がズームのチームメンバーになるとは考え難いことだった。
当時はぎこちない走りを見せていたが、2カ月後には米国カリフォルニアの州大会でトップ10の成績を納めた。2005年世界選手権200mでは短距離で史上最年少の金メダリストとなり、2007年には一度の世界選手権で3つの金メダルを獲得したふたり目の女性になる歴史を作った。
米国オリンピック委員会により2011-2012スポーツウーマン・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、米国陸上界最大の栄誉であるジェジー・オーウェンズ・アワードを3度受賞。北京五輪200mの銀メダルという悔しさをロンドン五輪へのやる気につなげ、1988年のフローレンス・グリフィス=ジョイナー以来、初めて五輪陸上競技で3つの金メダルを獲得したアメリカ女子選手となった。
・オリンピックメダル6回獲得、米国女子選手として1度の五輪で3つの金メダルを獲得したふたり目の選手
・世界アウトドアチャンピオン3回、女子選手として初めて3回連続で200m優勝
●シェリー=アン・フレーザー=プライス
(オリンピックチャンピオン2回、世界チャンピオン2回)
シェリー=アンは、ズームのチームメンバーの秘密兵器だ。北京五輪で、ジャマイカ人女子選手として五輪100m初の金メダリストとなった時、彼女は「無名の存在」と呼ばれた。高校生の時には200mの試合には出たこともないシェリー=アンが世界チャンピオンになったのだ。
「生まれ育った環境が、我慢強さ、一生懸命働くこと、そしてスラム街で生き延びる意思の強さを与えてくれました。その環境から抜け出すため、自分と家族のために一生懸命でした」と語っている。
現在は「ポケット・ロケット」と呼ばれ、Facebookには58万5000人を超えるファンがいる。そんな彼女の高校の時のニックネームは、いつも緑のウエアを着て誰よりも小柄だったからことから「バッタ」だ。大学ではメデューサと呼ばれていた。世界陸上界の中心に立つ存在となった彼女は、小さい頃からの人目を引くニックネームそのもののような存在になっている。
・100m走 オリンピック金メダル 2回
・世界チャンピオン5回 100m、200m、4x100m
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《美坂柚木》
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