サイクリングの計画を立てるには、インターネットが欠かせません。途中で補給が可能かどうかの確認も、ネットの地図を利用します。コンビニやスーパーならジャンル一覧にも掲載され、簡単に調べることができます。
◆ネットは完全ではない
とはいえ出退店は頻繁にありますから、過信してはいけません。私もサイクリングに出かけたとき、地図に載っていた店がなく焦ったことがあります。コンビニなら親業者のウェブサイトにもアクセスし、最新の出退店情報を確めておくといいでしょう。
前回のコラムで紹介した2泊3日のツーリングでも、ネットの地図で走るコースを決めました。その最終日は峠越え。交通量が少なく走りを満喫できるだろうと、今回のメインに考えていた道です。ところが上りに差し掛かってまもなくのこと、道路に立つ標識が目に入りました。そこにはなんと「全面通行止め」の文字。いきなり不意を突かれましたが、クルマはダメでも自転車なら通れる場合もあるため、わずかな望みをかけて上り続けます。ダメなら潔く引き返すまでです。
するとちょっとした広場があり、そこに地元の方がいました。さっそく工事の状況を聞くと、そこまで行ったことはないとのこと。それでも私の目指す峠が、途中に廃村もある歴史に育まれた道であることを教えられました。
さらに先へ進むと、道を整備する車両に出くわします。今度こそはと聞いてみると、「断言はできないものの、たぶん大丈夫」と心強いお言葉。意を強くしてペダルに力を込めます。
◆百聞は一見にしかず
峠もだいぶ近づいてきたなと思ったころ、とうとう工事現場が現れました。おそるおそる近づいて声をかけると、「標識がわからなかったのか」と先制の一撃。いえ、もちろんわかっています。でも、「下で会った人に『たぶん大丈夫』と言われたから」と説明して懇願。幸いにも休憩中だったため、それ以上きつく言われることはなく、パワーショベルと崖の隙間から通してくれました。横目で見る路肩はかなり崩壊し、クルマが通れないのは明らかでした。
そこで思ったのは、確かにインターネットは便利で多くの情報が手に入るものの、今回のように現地に行ってみなければわからない、もしくは気づかないこともあるのだな、ということ(ちなみに今回の通行止めは、ネットにも告知がありました)。冒頭で述べたように現実は日々変化しており、1つの情報源だけに頼るのではなく複数を確認すること、さらに現地でじかに得られる情報も大切。そんな当たり前のことに気づかされた、今回の出来事でした。
《》
page top