埼玉県のサイクリストから聖地と呼ばれる白石峠に行ってきました。起終点とした小川町は甲州街道の裏街道とされた秩父往還道により古くから栄え、今も日本酒や和紙など伝統を継ぐ産業が息づき、「武蔵の小京都」と呼ばれています。
のみならず特産の有機野菜を食材に生かした飲食店があちこちに。立ち寄りたいのはやまやまですが、まずは峠を目指します。
◆大野特産物販売所にサイクルスタンド
名もなき小さな峠を越え、いよいよ本格的な上りに差し掛かろうという手前にあるのが大野特産物販売所。ここにはサイクルスタンドが設置され、飲料の自動販売機やトイレも。冷たい飲料でのどを潤したら再スタートです。
時刻は13時をまわったところ。すでに昼を過ぎており、前後にサイクリストは見当たりません。その代わり下ってくる姿を何人も見かけ、そのたびにあいさつを交わします。そのまま自走で帰るという人も多いのでしょう。
狭い道幅も路面の荒れも、スピードが遅いせいか気になることはありません。交通量も限られますし、道の両側に茂る木々が日陰を作ってくれるため夏の暑さも和らぎます。また、沿道には峠からの距離を示した標識が0.2km間隔で立っていて、徐々に減る数値が励みに。上り坂ではダンシングを多用する私も、このところヒザに違和感を覚えることがあり、慎重を期してシッティングで上ります。
◆峠に東屋
峠にたどり着くとそこには東屋があり、息の上がった体をしばし休めることができます。ここは奥武蔵グリーンラインの途中地点でもあり、道を南に下ればいくつかの峠を経て、鎌北湖や巾着田へと至ります。白石峠は眺望がありませんが、花立松ノ峠手前の関八州見晴台からはすばらしい景色が望めるので、時間と体力に余裕がある人はこちらを選んでもいいでしょう。
一方の北上ルートには、もう上り坂はありません。速度を抑制させるためのハンプや対向車に気をつけながら、公衆トイレや茶店のある定峰峠を経て小川町へと戻ります。
◆自転車をバラして地域の食を楽しむ
市街地まで下ればゴールの駅はすぐ先。でもそうは問屋が卸しません。せっかく汗をかいたわけですから水分補給をしましょう。駅から1分の「麦雑穀工房」は超小規模のビール醸造所で、カウンターだけの店舗を併設。ここで有機野菜をつまみに数種類の地ビールをいただき、至福の時を味わいます。もちろん自転車とて飲酒運転はできませんが、駅で自転車をバラして電車に乗れば問題なし。小川町は始発駅ということで、ホームにはガラガラの電車が止まっています。席はよりどりみどりです。
家に戻って過去の記録を調べてみると、速い人は20分そこそこ(平均時速19km)、遅い人で60~70分(平均時速6.4~5.5km)ほど掛かっているようです。ちなみに私の記録は47分38秒(平均時速8km)。いくら途中で撮影をしながらとはいえ遅いですね(笑)。もう少し節制して、次は45分を切りたいものです。
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