【THE INSIDE】「千葉県の高校野球を支えていこう」指導者たちの熱い思い…座談会(3) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE INSIDE】「千葉県の高校野球を支えていこう」指導者たちの熱い思い…座談会(3)

オピニオン コラム

(左から)千葉敬愛・山崎祐司監督、成田・尾島治信監督、検見川・酒井光雄監督
  • (左から)千葉敬愛・山崎祐司監督、成田・尾島治信監督、検見川・酒井光雄監督
  • それぞれの思いを語り合う
  • 会場となった千葉敬愛高校
  • 千葉敬愛・山崎祐司監督
  • 検見川・酒井光雄監督
  • 成田・尾島治信監督
高校野球の多くの指導者たちは自分の思いを注ぎ込み、生徒たちと一緒に甲子園という夢を追い続け、試行錯誤しながらも、自分たちの環境の中で取り組んでいる。

その上で結果を残せた年もあれば、思い半ばで終わってしまった年もあるだろう。そんな奮戦、奮闘をしながらも、毎年チームを作って3年生たちにとって最後の夏へ向けて仕上げていく。

だから、指導者たちの思いは熱く、いつまでも情熱は枯れていかないのである。そんな千葉県の高校野球の監督たちの中で、最も脂の乗り切った世代ともいえる30~40代の指導者たちに、本音をぶつけ合いながら語ってもらう座談会の最終回。

「千葉県の高校野球を支えていこう」指導者たちの熱い思い…座談会(1)

「千葉県の高校野球を支えていこう」指導者たちの熱い思い…座談会(2)

<出席者>
■成田・尾島治信監督
成田→日本大を経て、社会科教員として成田に赴任。野球部部長を経て2000年から監督就任。2006年春、2007年夏に甲子園出場。10年夏には甲子園ベスト4に進出。

■千葉敬愛・山崎祐司監督
都立武蔵丘→国際武道大を経て、埼玉県教員として所沢東、定時制の川口県陽などを経て、千葉敬愛。部長を経験して監督就任5年目。2017年春季県大会は準優勝を果たし、春季関東大会にまで導いた。

■検見川・酒井光雄監督
市立船橋→日本体育大を経て、特別支援学校教諭などを経て、2015年から検見川に赴任。監督就任2年目の17年夏は千葉大会ベスト4まで導いた。


千葉県の高校野球最大の特徴は、突出した存在がないこと


――高校野球としての学びは、野球の技術だけではなくて、野球を通じて社会のことなども含めて学んでいかれるというお話でしたが、指導者としては、学校での練習環境の整備というのはひとつのテーマでもありますよね。

山崎:実は、学校の敷地外に専用球場を作っていこうという動きもあるんですよ。

――えっ、そうなんですか。それは、具体的な計画としてあるんですか。ただ、専用球場が出来ると、交換条件じゃないですけれども、何年以内に甲子園にぜひ行けるようにという声は出てくるでしょうね。

山崎:もちろん、そういう方々はいますけれども…。

尾島・酒井:そうでしょう(苦笑)

山崎:ただ、県内に私学の野球部は50何校かあるんですけれども、その中で専用球場を持っていないのは10数校しかないんですよ。ウチはその中のひとつなんです。

――逆に言うと、その中でよくここまでやれているということですね。

山崎:そう評価していただきたいですよ。もちろん、それはいい意味でのプレッシャーとして受け止めようとはしているのですけれども、これでようやく他校と肩を並べられることになるのだろうと思っているのですけれどもね(苦笑)。

尾島:そういう意味では成田は専用グラウンドがあるということだけでも、感謝はしています。

――グラウンド問題というのは、実は切実な問題ですよね。

酒井:検見川の場合は、対外試合はすべて遠征ですから、3チームに分かれてAチームとBチームがふたつという形でやっています。

――遠征が多くなると、交通費というか遠征費の問題もありますよね。

酒井:部費も集めていますが、公立校なので、Aチームだけがバスを使用して他は現地集合というワケにはいきません。だから、不公平感がないようにBチームも遠い遠征ではバスを使うようにしています。

――それは、ご自分の市立船橋時代と比べてみても、まったく違うのではないですか。市立船橋の場合は、公立校ではありますが、市として肝入りのスポーツ校でしたから、やはり恵まれていたということはありましたよね。

酒井:検見川に来たときは、最初、正直、ちょっとびっくりしました。だけど、今年も3月に関西遠征に行かせてもらうのですけれども、郵便局でアルバイトをして、そのお金で4日間遠征に行くのですけれども、プレーは上手ではない子たちでも、選手個々の目は越えているというか、どこでどういう動きをしなくてはいけないのかということは、全員がわかります。それは、狭いところでみんなで一緒にやってきているからというところもあるのかと思います。

それぞれの思いを語り合う


尾島:成田の場合は、関西遠征なんかは行けないんですよ。お金もかかるからということで、学校で禁じられているんです。そういう縛りがありますね。

――そうなると、来てもらうしかないということになりますね。

尾島:まあ、インターに近いということもありますから、帰りに寄ってくれるところも多いんですけれどもね。ただ、先ほどの酒井君の話とは逆に、ウチの場合は来てもらえるということで、チームをふたつに分けたとしても、どうしても手伝いだけの子が出来てしまうんです。それを、どうしていくのかということも工夫をしています。具体的には、月曜日には手伝っている子たちの練習日として紅白戦をしたり、バッティングをやったりということにしていて、土日試合に出ている連中がその練習を手伝うということにしています。

――成田の場合に、遠征がないというのは意外なんですけれども、それは他の部に関しても同じですか。

尾島:そうです。それは運動部全体です。親の負担が厳しくなってくるし、特待もないですから、そういう負担を少なくしていこうということからです。

――私学の場合は、沖縄へ行ったり、バンバン遠征をしているところも多いですけれどもね。

尾島:ただ、それが決めごとであれば、それを守っていくということでやっています。

山崎:千葉敬愛の場合は、長野遠征ということは夏休みに毎年行っています。基本的には、各運動部の特性もあると思うんです。全国大会に何度も出ているソフトボール部なんかは、基本的に県内にあんまり相手がいないんですよ。それで、京都の方へ行ったりとか、北の方へ行ったりといろいろやっています。

――部の特性もあるのでしょうけれども、特に縛りはないということですか。

山崎:制限はさほどではないですけれども、費用面に関しては、お金がかからないということは前提となっていますから、出来るだけ安い宿でということはあります。5月には山梨も行きますけれども極力お金をかけないということにしています。やはり、あまり経費の掛かることをしてしまうと、こちらも気が引けますよね。

――甲子園へ行くというのは、ひとつの目標ではあるのでしょうけれども、どれだけお金を使っても死に物狂いで行けというものでもなく、限られた条件の中で、どう目標を達成していくのかというところになると思うのですけれども…。

山崎:そうですね、そこが難しいところです。

――ところで、千葉県の高校野球というのは、関東の他地区との比較も含めてどのようにとらえていらっしゃいますか。

山崎:おふたりは千葉県の高校野球育ちですが、私は他県ですから、最初はスタンド含めて、やはりちょっと空気が違うな、独特の雰囲気があるなとは思いました。

――昔から銚子商、習志野といったところがあってファンの目が肥えているというか、厳しいというか、そんなところはありますからね。

尾島:いや、目は厳しいですよ。そして、それに応えて千葉県は強くなくてはいけないと思っています。

―― 一方で、今はかつてのように突出したところもないということも言われていますが。

酒井:それで、ウチのようなところもベスト4まで残れたり、ということもあると思うんですけれどもね(苦笑)。

尾島:ただ、千葉県はレベルは低いとは思っていません。

――私のような立場からすると、千葉県というのは関東地区では一番予想がしにくい地区ともいえるのですけれども…。そのあたりは現場で戦っている者としてはどのように感じていらっしゃるのでしょうか。

酒井:埼玉県の私学の強豪ともやらせていただいていますが、私は公立なので余計に感じるかもしれませんが、千葉県の私学は力でねじ伏せに来るというよりも、細かくて、遠くから来られる関西などの地区の先生方が言うには、「千葉県の強豪は面倒くさいことしてくる」ということを言われます。

尾島:それは逆に言えば、千葉県は抜けたところがないからですよ。力で抜けていれば、王道の野球をしていればいいわけですから…。だから、千葉県は予測がしにくいということにもなっているのだと思いますよ。

会場となった千葉敬愛高校


――絶対的な存在がないということは言えると思います。

尾島:ボクは千葉県の高校野球をやってきてずっと思うのは、神奈川なんかは横浜高校と比べてと言うか、そういうとらえ方をしていきますが、千葉県はそこがないですからね。だから今、酒井先生が言われたような野球をしていかなくてはいけなくなってくるということですよ。

――木更津総合と専大松戸が抜けているかなというと、そうでもないですからね。だから、スルッと成田が復活を果たしたり、千葉敬愛がAシードを取ったりということも起きてくるわけですよね。

山崎:だから、逆にシードがいいのかどうかということにもなってきますよ。

尾島:どこが上がってくるかわからないですからね。だから、ウチなんかは毎年目標はと聞かれると、まず初戦突破ですということにしています。

山崎:実際、横一線に30校以上いますからね。

尾島:だから、シードといっても初戦からエンジン全開で行かないといけないんですよ。それだけ、どうですか、手束さんのような立場からすれば、面白いと言えるんじゃないですか。

――そりゃ、面白いですよ。特に序盤から目が離せない。

尾島:やってるボクらからすれば、面白くもなんともないですよ。最初から大変で息を抜く場がないですから。

酒井:そこに、ウチのような所でも上位に入っていける余地もあったということだと思います。

――ありがとうございます。激闘千葉の熱い戦いを今年も期待しています。

全員:はい、頑張ります。

(了)
《手束仁》
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