
今週は中京競馬場で、第26回チャンピオンズカップ(GI、ダ1800m)が行われる。今年は新興勢力の3歳勢vs.歴戦の古馬という構図だ。
ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬16頭の全頭診断を行う。
◆【チャンピオンズカップ2025予想/枠順傾向】6枠のナルカミに勝率6.3%、単回収値23の不振データあり “馬券内率64.7%”該当の軸候補は
■チャンピオンズカップ2025 出走予定馬全頭診断
・1枠1番 ウィリアムバローズ
前走エルムSから参戦する7歳馬。常識的に考えれば厳しい印象も、この馬で注目すべきはダート1800mの成績【6.4.1.1】だ。このなかにはウシュバテソーロを下した左回りの1800m戦・日本テレビ盃も該当。逃げ先行馬の穴が目立つレース傾向から、3着のゾーンで一考したい。
・1枠2番 ダブルハートボンド
デビュー以来、いまだ連対外がない安定株。前走みやこSはレコードでの勝利と、この路線の新星として一躍トップグループに名乗りを上げた。一気の戴冠を狙いたいところだが、前走はJBCレディスクラシックの出走が叶わず参戦した経緯あり。間隔が詰まったローテのここは中間の調教も軽い印象があり、3戦3勝の舞台適性を加味しても勝ち切るまではどうか。
・2枠3番 メイショウハリオ
地方交流重賞ではいまもなお存在感を放つ馬。ただ今年2度使われた中央場所はいずれも掲示板外に敗れており、斤量58キロ以上の成績も【0.0.1.3】と不振傾向にある。主戦騎手のアクシデントによる乗り替わりも含め、馬券内へのハードルは高そうだ。
・2枠4番 セラフィックコール
近2走は勝ち馬と大きく離されるレースが続いている。厳しい。
・3枠5番 ヘリオス
フタ桁着順が続く現状。厳しい。
・3枠6番 ハギノアレグリアス
半年以上の長期休養明けでの参戦。ローテーション面の不安は否めず、強調材料は乏しい。
・4枠7番 ラムジェット
前走みやこSは上がり3F最速の脚で4着。追走すらままならず惨敗の可能性も考えていただけに、良い意味で期待を裏切るパフォーマンスだった。中京ダートは【2.0.0.0】と抜群の相性を誇っており、国内における冬競馬の成績【2.0.1.0】も強調材料。大外ブン回しではまず届かない舞台なので、上手く馬群を捌きつつ差してくる形に一筋の光を見出したい。
・4枠8番 ウィルソンテソーロ
連覇を目指した前走JBCクラシックはまさかの大敗。普通に走ればあそこまで負ける馬ではないし、2走ボケか船橋競馬場の砂質がよほど合わなかったかの二択だろう。過去10年のチャンピオンズCにおいて、同年マイルCS南部杯の勝ち馬は【3.0.1.2】。3度目の正直での戴冠があっても驚けない。
・5枠9番 アウトレンジ
1番人気に支持された前走みやこSは7着。地方ダートで好走してきたパワー型ゆえレコード決着の馬場コンディションが合わなかったのだろう。叩き2戦目は【2.2.0.1】と好走多数。乾いたダートが予想される日曜中京の馬場想定も含め、何らかの印は必要か。
・5枠10番 テンカジョウ
デビューから馬券外のない安定株。ただ当距離の持ち時計は1分52秒台と平凡そのもので、地方競馬のメンバー相手に後方待機のスタイルが定着している点も気がかりだ。追走で脚を使ってしまいそうなここは苦戦が予想される。
・6枠11番 シックスペンス
初ダートとなった前走マイルCS南部杯で2着好走。砂を被らないポジションで運べた恩恵があったとはいえ、砂適性ゼロでは成し得ない芸当だけに一定の評価を与えられる。1800mは【3.0.0.0】と負け知らず。坂路とウッドを併用した中間の調教も良く、ノーマークにはできない。
・6枠12番 ナルカミ
この馬で強調したいのは走破ラップ。良馬場ダート1800mの新馬戦が1分51秒2とすでに怪物級のポテンシャルを示していたが、2走前の不来方賞は直線でほとんど追わずに2分01秒2。盛岡のJBCクラシックをレコード勝ちしたコパノリッキーと0秒4差かつ、3年前のJBCクラシック勝ち馬テーオーケインズの時計を上回っていたのだ。ジャパンダートクラシックの勝ち時計も前年のフォーエバーヤング超え。逃げて上がり3F最速をマークし続ける脚力を素直に評価すべきだ。
・7枠13番 サンライズジパング
秋以降は精彩を欠く成績。4歳にしてピークアウトを疑ってしまうところだが、いずれも地方の特殊なダートだった影響も否定できない。中央のダートは【2.2.0.2】と安定しており、フェブラリーSではミッキーファイトに先着。アナザートゥルースやインティ、アスカノロマンら10人気以下の激走馬を数多く生み出した1月の中京ダート1800m重賞馬券内馬でもあり、大駆けのシーンは想定すべきだ。
・7枠14番 ペプチドナイル
得意とする左回りのマイル戦でも勝ち馬と1秒以上離されるレースが続いてしまっている。秋を迎えてピークアウトの感は否めない。
・8枠15番 ペリエール
今年馬券内に入ったレースはローカル1700m戦に限定。急坂コースのGIでは分が悪い印象だ。
・8枠16番 ルクソールカフェ
前走武蔵野Sを快勝した3歳馬。先の話をするのであれば、来年のフェブラリーSはこの馬で決まりだと思っている。ただ、今回の舞台は中京ダート1800mのチャンピオンズC。海外・地方遠征を含めて今年7戦目のローテーションに加えて中京も未経験、馬群の外をストレスなく追走するパターンの競馬しかできない……幾多の不安要素がのしかかるここは思い切って消しの選択も考えたい。
Winsightより一部編集・転載(2025年12月4日 18:00公開の記事)
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在は競馬メディア『Winsigh』で予想コラム執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。



