
メジャー8年目、ドジャースで球団史上初の2年連続世界一を達成した大谷翔平投手。今季はレギュラーシーズンで打率.282、55本塁打、102打点、20盗塁、OPS1.014の好成績。投打二刀流に本格復帰し、ポストシーズンでも活躍。3年連続4度目の年間MVPに輝いた。
31歳になり、いよいよ全盛期を迎えた二刀流。ここでは、MLB公式のデータサイト『Baseball Savant』でメジャーリーグにおける大谷の“正確な現在地”を整理してみたい。
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■キャリア最高を更新した打撃指標
平均打球速度:94.9マイル(全体3位)
大谷の打撃で際立つのが、球界屈指の打球速度だ。
今季の平均94.9マイル(約152.7キロ)は、オニール・クルーズ外野手(パイレーツ)、アーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)に次いでメジャー全体3位。2022年の92.9マイル(約149.5キロ)から昨季の95.8マイル(約154.1キロ)まで右肩上がりで上昇していたが、わずかに減少した。一方で、9月2日(日本時間3日)のパイレーツ戦では、自身最速となる打球速度120.0マイル(約193.1キロ)を計測。未だ限界知らずの成長を見せている。
ハードヒット率:58.7%(全体2位)
打球速度95マイル(約152.9キロ)以上の割合を示す「ハードヒット率」でも、ハイレベルなパフォーマンスを維持している。
昨季はキャリア最高の60.1%を記録するも、わずかに減少。トップのカイル・シュワーバー外野手(フィリーズ)に次いで2年連続の全体2位となった。チームではマックス・マンシー内野手の51.5%を抑えて堂々トップ。規格外のパワーは健在だ。
バレル率:23.5%(全体2位)
もっとも安打になりやすい打球速度と角度の組み合わせ「バレルゾーン」へ飛んだ割合を示す指標。
今季の23.5%はキャリア最高の数字。昨季に続いてジャッジに次ぐ全体2位とはなったが、強く効率のよい打球を打つ能力にさらに磨きがかかった。
平均スイング速度:75.8マイル(全体17位タイ)
2023年に計測が始まった新指標でも、大谷は上位に名を連ねる。
直近3年間で「77.4→76.3→75.8マイル(約121.9キロ)」と徐々に数字は落としているものの、打球速度は健在。75マイル以上のスイング割合が12%も減少しており、意図的に軽打する場面が増えたと見られる。精度は上がっているため、コンタクト時のハードヒットは増加している。
■走塁指標は二刀流も影響か
スプリントスピード:28.0フィート/秒(全体210位タイ)
選手が1秒間に走った距離を計測した指標「スプリントスピード」。
盗塁数は、昨季の59個から20個へと減少。二刀流復帰で走塁は控えめな1年だったが、走力自体は横ばい。2021年には28.8フィート/秒でメジャー上位9%に位置していたが、肉体のビルドアップとともに徐々に数字を落とし、昨季の平均28.1フィート/秒とほぼ変わらず。一方で、進塁の指標では「+3」評価で自身過去最高。アグレッシブに次の塁を狙う姿勢が好結果を生み出した。
一塁平均:4.2秒(全体28位タイ)
一塁までの平均タイムは依然としてメジャー上位に位置する。
左打者の利点も活かし、全体28位の平均4.2秒を記録。昨季の4.17秒から微減し過去ワーストとはなったが、走り出しから65フィートまでのタイムはキャリア最速を計測。打者専念の年よりもセーブして走る場面が増えた可能性が高い。
31歳となり、キャリアで最高クラスのパフォーマンスを見せた今季の大谷。圧倒的なパワーに加え、スピードでも優秀な指標を維持している。二刀流フル稼働となる来季は、どのような進化を見せてくれるだろうか。
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