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【パラグライダーで大空へ!】誰でもできるの? いくらで飛べるの?

オピニオン コラム
【パラグライダーで大空へ!】誰でもできるの? いくらで飛べるの?
  • 【パラグライダーで大空へ!】誰でもできるの? いくらで飛べるの?
  • 【パラグライダーで大空へ!】誰でもできるの? いくらで飛べるの?
  • パラグライダースクール『ソラトピアつくば』代表の殿塚裕紀さん
  • パラグライダーの装備一式
  • 【パラグライダーで大空へ!】誰でもできるの? いくらで飛べるの?
  • パラグライダースクール『ソラトピアつくば』のインストラクター尾崎肇さん
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1978年にフランスのスカイダイバーたちが山の斜面からパラシュートを使って飛び降りたことが起源とされる空のスポーツ「パラグライダー」は、日本には1986年ごろ紹介されました。

現在パラグライダースクールは各都道府県に1カ所以上あり、フライトエリアは国内に300カ所以上も存在します。日本ハング・パラグライディング連盟によると、パラグライダー愛好家の数は全国で約2万5000人になるそうです。

モデルのGaru chan(がるちゃん)も「自由に空を飛べる!」とすっかりパラグライダーに夢中になりました。風の具合が良さそうな休日は茨城県石岡市にあるパラグライダースクール『ソラトピアつくば』に通っています。近くに筑波山(標高877m)がそびえる国内有数のパラグライダーエリアにあります。

『ソラトピアつくば』にやってきたGaru chan

前回の【パラグライダーで大空へ!】モデルGaru chanがハマった理由

パラグライダーって難しいの?


「パラグライダーで飛ぶのは簡単」とGaru chanは話していましたが、本当に誰でも簡単にできるのでしょうか? 

そこで日本ハング・パラグライディング連盟理事、ソラトピアつくば代表の殿塚裕紀さんに改めて聞いてみました。まず、パラグライダーをするのに運動神経は必要ですか?

「運動神経があるに越したことはありませんが、無くてもやる気があれば大丈夫です。最初の離陸は地面を走りながらコントロールしなければならないので少し練習が必要ですね。例えばスキーでボーゲンで滑ったり、サーフィンで板の上に立ったり、それくらいの練習です」

ソラトピアつくば代表の殿塚裕紀さん

なるほど~。それほど難しくはなさそうですが、では飛んでしまったら、空中ではどうなのでしょう?

「離陸とは別のセンスが必要になってきます。飛んでいるときは座っているので、空中での感覚はクルマやバイクに近いです。どこに行ったら上昇気流があるのか見つける判断力が重要になってきます。風の向きを考えたりするところはヨットの操縦に近いですが、飛んじゃうと操作自体は簡単でゴーカートみたいなものです」

パラグライダーは「スポーツをする」というより「乗り物に乗る」と考えた方がいいのかもしれませんね。操作は左右にある「ブレークコード」と呼ばれるコードを引っ張ることと、バイクでカーブを曲がるときのように体重移動をすることで行います。

装備一式。右のバックパックにパラグライダーを収納します

地面で広げるとこれくらいの大きさです

ブレークコードを引くインストラクター尾崎肇さん。コードがたくさん見えますが引くのは手元の2本だけ

ブレークコードを引くことでパラグライダーの後端が飛行機の翼のように折れ曲がり、それにより空気抵抗が増えるとスピードが落ちます。左右両方を一度に引くとブレーキになり、どちらか片方だけを引くと引いた方に旋回します。シンプルですね。

ブレークコードを引くとパラグライダーの端が曲がって空気抵抗が増え、ブレーキの役目をします

近くで見るとけっこう複雑な作りをしています

風が抜ける構造になっていました

自分で飛ぼうとしたらライセンスが必要


パラグライダーで飛ぶには専用のライセンス(パイロット技能証)が必要です。ライセンスはA級→B級→NP証(ノービスパイロット)→P証(パイロット)とレベルに応じてステップアップしていきます。

さらに上級者向けにXC証(クロスカントリー)やTD証(タンデムパイロット)なども。ライセンス取得は「クルマの教習所とすごく似ています」と殿塚さん。

「一般的なライセンスを取るのに4段階あります。最初の第1段階(A級)がショートフライト、斜面から飛んで降りるのを繰り返す。自分で翼を作って走って加速して飛んで着地するのができる。第2段階(B級)が山の上から飛ぶことになります。風の穏やかな日、海で言えば波ひとつないような日に上から飛んで目的地に降りる」

山の上から飛ぶとすぐにこんな感じ

「第3段階(NP証)は上昇気流に乗ります。上昇気流にもいくつか種類があるので、比較的簡単な上昇気流に乗る。第4段階(P証)は難しい上昇気流に乗ったり、こういう場所に飛んで来たらこれに気をつけて飛ばなければいけないというフィールドの理解などを総合的に練習します」

それぞれの段階で実技と学科試験があるそうです。まさに教習所…。P証を所得すると「一人前」なんですって。

ちなみに殿塚さんは小学校6年生の夏休みにA級ライセンスを所得しており、本格的に飛ぶようになったのは大学生になってから。パラグライダー歴は約16年!

飛ぶためにお金はどれくらいかかるの?


ソラトビアつくばでライセンス取得の場合、かかる費用はA級レッスン料(パラグライダー装備一式のレンタル代込み)が1万円から。山の上からひとりで飛んで降りてこようとすると5万円ぐらいになるそうです。

「パラグライダーって結構お金かかるんだな…」

今、そう思いませんでしたか? 

私も思いました。でも、よく考えてみてください。たった5万円で自由に空を飛べるようになるんです。ゴルフをするのだって、山登りをするのだって、道具やウエアをそろえたら10万円くらいすぐに使ってしまいます。アウトドアスポーツは初期費用がかかるものが多いです。

だから、「パラグライダーで空を飛べるようになるのに5万円」は決して高くない金額だと思います。ちなみにパラグライダー本体は個人で購入すると50万円ほどします。ちょっと高級なロードバイクと同レベルの価格ですね。

風が強すぎる日は、地上でたこ揚げのようにパラグライダーを操る「グラウンドハンドリング」の練習をします

グラウンドハンドリングをするGaru chan

パラグライダーは「風に乗る遊び」です。上昇気流があって、それにうまく乗ることができれば高く上がって、長く飛ぶことができます(上昇気流がなければ飛んで降りてくるだけ…)。

殿塚さんはパラグライダーの醍醐味を「何が面白いって、山も越えられる。風がいい日なら筑波山も余裕で越えられます」と笑って教えてくれました。上手になると2~3時間も空中散歩ができて、クロスカントリーをする人たちになると8時間くらい飛び続けてしまうそうです。茨城から飛んで160kmほど離れた福島に着陸して、新幹線で帰ってくる人もいるというから驚きます。

「じゃあ、飛んでみましょうか!」


いきなり殿塚さんが言いました。

え?

今、何とおっしゃいました?
「飛んでみましょうか」って聞こえた気が…。

私は耳を疑いましたが、パラグライダーで飛ぶGaru chanを間近で見るためにヘルメットを手にしたのでした。次回はいよいよ空を飛びます!

青空を楽しむGaru chan

●Garu chan(がるちゃん)
静岡県出身。フリーランスモデルで活躍する一方で会社も経営するアクティブガール。これまでバックパッカーで世界を2周し、船舶免許も所得。スキューバダイビング、乗馬、ランニング、ボルダリングと多趣味。現在はパラグライダーに夢中。

●パラグライダースクール『ソラトピアつくば』
住所:茨城県石岡市小屋576-1
営業時間:9時~17時
定休日:火曜日(3月~11月)、火・水曜日(12月~2月)

《五味渕秀行》

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