同級2位の村田は4回にエンダムからダウンを奪うも、手数の少なさが判定に響いた。試合後に村田は1-2(117-110、111-116、112-115)の内容に、「結果は結果」と受け止める。
「試合の内容についても第三者が判断すること。僕自身が勝ってた、負けてたと言うのは違うと思う。あまり言いたくないこと。ただひとつ言えるのは、この試合を組んでくれた帝拳ジムの皆さんを始め、僕にとってすごく大切な人たちが力を貸してくれた。その人たちに対して、勝てなかったことが申し訳ない。それだけです。集まってくれたファンの方々にも勝つ姿を見せられなくて申し訳ない」
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村田諒太が4回にエンダムを追い込む
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エンダムがダウンしたが…
手応えはあったと振り返ったが、判定を聞く前に「正直、胸騒ぎはした」という。試合前半に手数を見せなかったこともあるが、「もっと打てるシーンがあったらよかった。明らかに何発か打ったあとに休むシーンがあった。反省が残る」と目を伏せる。
今後については気持ちの整理が必要として、「これだけ多くの人に支えてもらってやってきて、12ラウンドやって勝てなくて『はい、もう1回僕やりますよ』なんて無責任なことは言えない」と常に関係者たちに感謝をしてきた村田らしい言葉を絞り出した。
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試合後に観客席に深く頭を下げる村田諒太
日本人初となる五輪金メダリストの世界タイトル獲得が期待されていたが、世界の壁は予想以上に厚かった。
空位となっていたWBA世界ミドル級王座を獲得したエンダムは、「12ラウンド戦い終えたあと、村田選手より多くのラウンドを取っていると思っていた。勝てる自信はあったが、敵地であるため確信はなかった」と振り返った。
村田の右のパンチを警戒して、ジャブを使って自分のリズムで動く戦略にした。「村田選手はコンプリートファイターではない印象だった。そこを押さえて自分が動けたことが勝因だと思う」と戦いの疲れも見せずに語った。
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勝利したアッサン・エンダム陣営
まずは休息を取り、次の試合はフランスで戦えることを希望するエンダム。将来的にはWBA・WBC・IBFのボクシング3団体の頂点であるゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との試合も期待される。
村田の成績はこれで13戦12勝(9KO)1敗、エンダムは38戦36勝(21KO)2敗になった。