◆必要なのは、せめて若者を「邪魔しない」こと
人材投資にかけるお金が国際的にも低いと言われている日本。「こんな社会で負担を負うくらいなら日本を出てやる」という若者がいることも事実です。
その中で、「いかに若い世代が持つ貴重なリソースと潜在力を、未来に繋げることに集中できるか」を考えなくてはいけないのだと中村さんは警鐘を鳴らします。
そのために上の世代に必要なのは『若い世代に何がしてやれるか』というアクションではないにしても、せめて若い世代を『邪魔しない』ことが大切と言います。
「これからの40、50歳は、明治維新があった時に若者をサポートした『勝海舟』のような存在になって欲しいという話も最近しましたね」
しかし、仮に「上の世代が邪魔をしなかった」としても、本当に若い世代は積極的に社会の流れを変えようとするのでしょうか。20、30代の取材陣は、中村さんの指摘には疑問符がつくと問いかけました。
「今の20代は、自分の仕事が身近な人や世の中のためになっているか、といった社会貢献的なことに価値をおく人が多いので、『自分が守りたい者』のためなら動くのではないでしょうか。ご両親の介護や、結婚して子どもができたとしたら、子育てや介護ができる柔軟な働き方があった方がいいと思うだろうし、目の前に困っている人がいたら助けるための仕組みを作ろうとか」
「若い世代は、やさしさや、やわらかさの中に秘めているものがあり、何かのタイミングで発露していくのではないでしょうか。オリンピックはそのひとつの起爆剤になりうると思います。震災の後、人生観が変わったという人がいますが、大きな出来事があると自分の生き方や考え方を見直す機会になります。オリンピックにもその効果はあると思っています」
今の20代は損をしています。選挙構造を見ても票が少なく、民主主義のなかにありながら、希望とは違う方向に社会の意思決定が向きやすい。そうした状況の中で、「どこかで若い世代がイニシアチブを取らなきゃいけない」とします。
「ゆとり世代、悟り世代として『いい人』でいつづけられたのは環境がそれを許したからだと思います。しかし、そろそろまずい、と本気で思うはず。2020年はその変化点になるのではないでしょうか」
超高齢化、少子化。そして財政や医療を変えていかなければならないタイミングで、働き方や仕事、家族との関わり方など、日本の社会全体のあり方が変わる。2020年のオリンピックはその可能性を秘めています。
いまを生きる若者は、「自分たちの未来は自分たちで創るんだという前提でこれからの仕事をしていくことが大事」と最後に中村さんは呼びかけました。
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