まずは2017年に開催されるスポーツ主要大会を確認してみよう。2017年は4年に一度の夏季・冬季オリンピック・パラリンピック、サッカーのワールドカップやUEFA欧州選手権がない。最大のイベントは奇数年の8~9月に開催される「世界陸上競技選手権」(世界陸上)だ。
3月6日から22日には野球の「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)。3月29日から4月2日まで行われる「世界フィギュアスケート選手権」は、2018年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪の枠取りがかかり、日本勢にとってはきわめて重要な大会となる。
4月6日から9日までゴルフの「マスターズトーナメント」。6月17日から7月2日までサッカーの「コンフェデレーションズカップ」。7月3日から16日までテニスの「ウィンブルドン選手権」。7月20日から23日まで男子ゴルフの「全英オープン」。
そして8月4日から13日までロンドンで「世界陸上」があり、国ぐるみのドーピング問題で揺れるロシアが出場停止となる見込み。さらには8月21日から27日まで「世界バドミントン選手権」が行われ、日本勢の活躍が期待される。そして10月8日には「F1日本グランプリ決勝」が開催される。
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「ジロ・デ・イタリア2017」は、サルディニア島で開幕する
こうしたメジャースポーツに負けない魅力を持つ自転車レースもある。ロードレースには1日で争う春先のワンデーレースから最長23日間のステージレースまであるが、多様なスポーツに興味ある人におすすめするなら3大会に絞り込める。5月5日から28日まで「ジロ・デ・イタリア」。7月1日から23日まで「ツール・ド・フランス」。そして9月24日の「世界選手権エリート男子ロード」だ。
ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスは23日間のステージレース。とりわけジロ・デ・イタリアは第100回記念大会で、地中海に浮かぶサルディニア島で開幕する。ツール・ド・フランスは世界最大の自転車レースで、フランスの随所にある世界遺産などの絶景をつなぐように走るので、旅やフランス文化に興味のある人も楽しいはず。
世界選手権は世界チャンピオンを決めるワンデーレースで、最終日に最も注目されるエリート男子ロードが開催される。毎年開催地が異なり、2017年はノルウェーのベルゲンで行われる。
この3大会は日本のテレビでも放送されるはずで、ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスはJ SPORTS(有料)。世界選手権は未定だが、昨年はエリート男子ロードのみスピードチャンネル(有料)で放送された。有料放送がないカテゴリーはインターネットの無料ライブ中継が視聴できる。
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「ツール・ド・フランス2017」では、アルプスのイゾアール峠が2014年以来の復活
海外のレースはこうしてテレビ観戦となるが、国内で行われる国際大会は現地に足を運べばナマのレースが目撃できる。10月22日には栃木県宇都宮市で国際最高峰のレース「ジャパンカップ」が行われる。同じ日にUCIワールドツアーに登録された中国の「グリーツール・ド・コワンシー」というステージレースが開催されるので、出場選手招へいなどで影響を受けそうなのが気がかりだ。
さらにはツール・ド・フランスの姉妹レース「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」がさいたま新都心で開催される。日程は未発表だが、例年だとジャパンカップの翌週。
これとは別に重要なのが、9月13日に2024年夏季オリンピック開催地が決定されることだ。立候補はフランスのパリ、米国のロサンゼルス、ハンガリーのブダペストの3都市。ロサンゼルスなら3回目、パリなら100年ぶり、ブダペストなら初開催となる。米国はトランプ大統領が就任し、ロサンゼルスを支援すると国際オリンピック委員会のバッハ会長に伝えたと言うが先が読めない情勢。
五輪のはざまである2017年だが、注目スポーツは毎月のように用意されている。今年も熱戦に汗を握りそうで、さまざまなスポーツの魅力が実感できるはずで、じつに楽しみなのである。