◆「リオ世代」で群を抜くキャプテンシー
オーバーエイジ枠で招集され、ワントップを務めることが濃厚なレッズのチームメイト、FW興梠慎三とはJ1の戦いを通じてホットラインを開通させていると遠藤は自信をのぞかせている。
「縦パスのタイミングがすごくあうし、動き出しもすごく上手いので。僕としてはすごくやりやすさを感じている。意外といったら変ですけど、(興梠)慎三さんのほうから『あの選手の特徴はどうなの』と、いろいろと気にして聞いてくる。僕もわかることはすべて話しているので、そういう作業はチームにとって間違いなくポジティブなことだと思っています」
守備力とパスの精度を含めた攻撃力。ベルマーレおよびレッズの日々で自問自答しながら取り組み、その体に搭載してきた武器が、手倉森ジャパンの変幻自在な戦い方を可能にさせたことになる。
日本時間の5日午前10時、アマゾニアスタジアムでキックオフを迎えるナイジェリア五輪代表とのグループリーグ戦で、左腕にキャプテンマークを巻いた遠藤は先頭で入場してくる。
手倉森監督をして「余人をもって代えがたい」と言わしめるほど、「リオ世代」で群を抜くキャプテンシーを発揮してきた遠藤は、ベルマーレ時代にも19歳にしてキャプテンを拝命している。実はキャプテンという肩書にこだわりがあると、屈託なく笑う。
「昔から『キャプテンをやりたい』という思いがあって、そのままいま現在に至っているというか。キャプテンをやらせてもらうことが、試合に対する自分のモチベーションになっているので。アンダー世代(世代別の代表)で培ってきたものをすべて出し切って、最後はメダルを獲って終わりたい」
試合前日になっても、ナイジェリアがキャンプ地アメリカにとどまる異常事態がぼっ発。日本の不戦勝になるのでは、という憶測も飛び交うなかで、遠藤はその一挙手一投足からかもしだされる牧歌的かつ泰然自若としたオーラでチームに安心感と平常心を与えながら、勝利につながるメンタルを整えていく。
《藤江直人》
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