◆逆三角形型で組ませる「4‐3‐3」にトライ
ベルマーレではさまざまなポジションを務めた。3バックを基本とする最終ラインの真ん中では、左右のストッパーの背後をカバーする感覚やラインを上げ下げするタイミング、縦パスの正確性を身につけた。
曹監督から「3バックの真ん中ならばいつでもできる」というお墨付きを得て、さらに進化するために回った3バックの右では、1対1でボールを奪いきるアグレッシブな守備力と、攻撃参加へのタイミングを学び取った。
そして、ボランチとしては最終ラインの前で確実に相手のボールホルダーを潰す守備力と、ボールをもち運んで前線の選手と絡むセンスも磨き上げた。
守備のオールラウンダーへの階段をゆっくりと、確実にのぼっていた手応えがあったからか。遠藤は新たな目標を思い描くようになっていた。
「自分としては飛び抜けている部分を作りたくないというか、後ろでしっかりと守れて、ビルドアップもできて、ボランチでも、というオールマイティーの選手になりたい。将来は海外で、という思いもあるし、そのときはセンターバックでもボランチでもどこでもプレーできる選手になるために、平均値をあげる作業を積み重ねていきたい」
昨夏に中国・武漢で開催された東アジアカップに臨んだハリルジャパンに抜擢され、描いていた「オリンピックにいく前に、A代表には入りたい」という夢を実現させた。獲得したキャップは「7」を数えている。
今シーズンから移ったレッズでは、3バックの真ん中でレギュラーとして君臨。J1でも屈指の名門軍団のなかで、もう何年もプレーしているかのような貫禄と風格を漂わせている。
U‐23日本代表では不動のボランチを担ってきたが、リオデジャネイロ・オリンピックのグループリーグ初戦が行われるブラジル北部のマナウスに入ってから、手倉森誠監督は新しい布陣に取り組んでいる。
これまでは「4‐4‐2」あるいは「4‐2‐3‐1」で臨んできたが、中盤を3人にしたうえで、逆三角形型で組ませる「4‐3‐3」にトライ。頂点の位置、いわゆるアンカーには守備力に長けた遠藤が配置されている。
そして、ボールを奪ったあとは遠藤が最終ラインにさがり、左右のサイドバックを高い位置に押し上げて攻撃参加させる「3‐4‐3」にシフトする。ここで遠藤は攻撃の起点として、得意のロングパスを狙う。
【次ページ 左腕にキャプテンマーク、遠藤が先頭で入場する瞬間を見逃すな】
《藤江直人》
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