選手自身も被災し、車中泊などを経験した。短い準備期間でもできる限りのことをして臨んだ試合だったが、元日本代表FW巻誠一郎は「甘くなかった」と振り返る。
「震災の前が90分プレーした最後の試合で、特に後半は非常に苦しくて、何度も足が止まりそうになったし、何度も諦めそうになった」
後半には、ヒザに手をついて何度も苦しそうな顔を見せた。前半途中に相手選手のヒジが顔に当たるアクシデントもあった。それでも巻は、「熊本で苦しい思いをしている方々の顔が思い浮かんだ。僕らがきついのなんて小さなこと」と足を動かし続けた。
リーグ戦への復帰を果たした熊本にサッカーファンからは、「コンディションのよくない選手もいたけど気持ちは伝わってきた」「勝てれば最高だったけど、試合ができる状態まで戻ってきたことがよかった」「ロアッソさんお帰り。いろんな面でまだ整ってないかもしれないけど頑張って」などの声が寄せられている。
まだ震災の影響でホームスタジアムが使用できない熊本。22日の水戸ホーリーホック戦は日立柏サッカー場で行われる。
熊本地震で被災して1ヶ月、いろんなことがありました。
— ロアッソ熊本(official) (@roassoofficial) 2016年5月16日
ほとんどの選手やスタッフは車中泊や県外での避難を余儀なくされ、4月21日にチームとクラブでミーティングを行い、5月2日から熊本でトレーニングを開始し、5月15日のアウェイ・千葉戦からリーグ戦へ復帰するということを決断しました。
次節は5月22日(日)ホームゲーム「熊本とともに。熊本地震復興支援マッチ」を開催します。
— ロアッソ熊本(official) (@roassoofficial) 2016年5月16日
ホームスタジアムのうまかな・よかなスタジアムは震災の影響で現在使用できないため、千葉県柏市にある日立柏サッカー場での開催です。 pic.twitter.com/Qi8IJgRVn2
千葉vs熊本 試合後にスタジアムで流れた巻 誠一郎選手のメッセージ。
— Jリーグ (@J_League) 2016年5月15日
復帰戦の相手となった古巣に巻が感謝のメッセージを送りました。https://t.co/Ley9pzLzoA #Jリーグ pic.twitter.com/hSJO6yNQAK