雨巻山から三登谷山へと続く道中に、分岐がある。その分岐の標識には「岩の道」「階段の道」と書かれている。
岩の道の方向に進むと、ちょっとした岩場があり、そこを抜けると「ジャンダルム」と書かれた標識が木にぶら下がっていた。
■ジャンダルムとは
万年登山ビギナーの筆者には、この言葉を聞いてもピンと来ない。帰宅後にWikiってみると、「奥穂高岳の西南西にあるドーム型の岩稜で標高は3,163 m。スイス・アルプス山脈の名峰アイガーにある垂直の絶壁(高さ約200m)の通称に由来する」とある。フランス語で「憲兵」の意味があり、山岳用語としては「前衛峰」を意味する。前衛峰とは、主峰の前に立つ峰という意味だ。
奥穂高とか、標高3,163mとか。
アルプス山脈とか、アイガーとか。
(そういや、アイガー北壁って映画あったな)
言葉だけでも、相当な破壊力がある。更に、写真を見ると言葉を失うほどの衝撃を受けた。その姿は、まさに絶壁と呼ぶにふさわしい。
■可愛らしい、雨巻山のジャンダルム
対する雨巻山のジャンダルムは、標高521m。これは、絶壁のみの高さではなく、いわゆる標高であって、平均海面からの高さである。
絶壁というよりは、小高い丘。奥穂高やアイガーのジャンダルムとは、月とすっぽんほどの差がある。また、雨巻山だけではなく、全国のいろんな山にジャンダルムと名付けられた場所はあるらしい。
登山時には、「ジャンダルム」にそのような意味があるとはいざ知らず。ジャンヌ・ダルクみたいでかっこういいな、くらいにしか思わなかったが。
先日、釣りに行った際に、若い女性が「友人が今度ジャンダルムに行くんです」と話していた。その友人が行くのは、奥穂高のジャンダルムである。
いやはや、女性はたくましい。筆者などは、雨巻山のジャンダルムがちょうどいい。
《久米成佳》
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