【小さな山旅】上昇、成長、発展、利益…ちょっとだけでいいから、山で忘れたい | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【小さな山旅】上昇、成長、発展、利益…ちょっとだけでいいから、山で忘れたい

ライフ 社会
気軽に登れる低山。ぽっかりと空いてしまった休日を過ごすのに、ちょうどよいかも。
  • 気軽に登れる低山。ぽっかりと空いてしまった休日を過ごすのに、ちょうどよいかも。
お金はない、予定もない、一泊するだけの時間もない。
ないない尽くしの休日だが、
近くには小さな山がある。
その山を歩くだけの時間なら、ある。

そうだ、低山を歩こう。
山登りというか、山歩き。
その塩梅がちょうどよい。

いつもよりゆっくり起きた休日の朝に、
行きたい山を選んで。
水筒を持って、おにぎりを作って。
印刷した地図を片手に、
ぶらりと山を歩く。

時間を気にせずのんびりと山を歩き、
すれ違う人と交わすあいさつ、
山頂で飲むコーヒー、
帰宅後に入る風呂、
そして、風呂上りのビール!

日常のようで、日常でない。
それは、小さな非日常。
ぽっかりと予定の空いた休日を、
こんなふうに低山で過ごすのも、
案外いいかもしれない。

●低山の休日

……とここまで書き終えて、我ながら、なかなか良いボディーコピーに仕上がっているではないか、と気付く。さしずめ、アウトドアメーカーの新商品のポスターなどに使われていても、何ら違和感をおぼえない(はずだ)。どこかの地方の、観光ポスターに使ってもいい(気がする)。イマドキの、可愛らしい若手女優さんが山を歩いている姿を背景に(できたらいいなぁ)。

上昇、成長、発展、利益。私たちの日常を覆い尽くす、これらの言葉。ちょっとだけでいいから、こいつらの存在を忘れたい。そんな日も多いかと思う。そんな時こそ、低山に登ろう。低山ハイクは、思い立ったその日に行動に移して、「非日常」を手に入れることができる最適な行為である。

……とここまで書き終えて、春うららかな休日に、部屋に引きこもって漫画の頁をひたすらめくる自分にハッとする。今年のゴールデンウィークは、未だ予定が埋まっていない。一泊するだけの時間はあるが、一泊するだけのお金がない。ここはやはり、低山で休日を過ごすのが、ベストであろうか。
《久米成佳》

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