【THE REAL】古巣ベルマーレへ届け…町田ゼルビアの苦労人・中村祐也、特異な得点感覚 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE REAL】古巣ベルマーレへ届け…町田ゼルビアの苦労人・中村祐也、特異な得点感覚

オピニオン コラム
中村祐也 町田ゼルビア選手紹介より
  • 中村祐也 町田ゼルビア選手紹介より
決して突出した記録を残しているわけではない。11年目を迎えたプロサッカー人生で、ゴールネットを揺らしたのは23回。ストライカーとしては平凡以下。厳しい言い方をすれば「物足りない」となる。

それでも、中村祐也は記憶に残る選手として語り継がれている。プロとしてスタートラインに立った浦和レッズの、そして稀有な才能を開花させかけた湘南ベルマーレのファンやサポーターの間で。

思い起こされるのは2014年3月16日。ベルマーレのホーム、Shonan BMWスタジアム平塚で行われたコンサドーレ札幌とのJ2第3節だ。

2点をリードしたベルマーレが、後半40分に2枚目の交代のカードを切る。アップしていた中村がベンチへ呼ばれ、ユニフォームに着替え始めた瞬間から雰囲気が一変する。

「ユウヤ、おかえりなさい!」

ファンやサポーターの声が、瞬く間に伝播していく。FWウェリントンに代わってピッチへ足を踏み入れると、今度は万雷の拍手が背番号11に降り注いだ。

■選手生命

右アキレス腱を2度も断裂。選手生命を失いかねない悪夢を必死のリハビリで乗り越えた中村にとって、コンサドーレ戦は実に617日ぶりとなる公式戦出場だった。

試合後の勝利監督インタビュー。中村の起用について問われた曹貴裁監督が、思わず声を詰まらせる。感極まった理由を著書『指揮官の流儀 直球リーダー論』(角川学芸出版社刊)でこう明かしている。

「リードを守るために交代させたつもりはない。3点目を奪うためのベストの方法として、中村の力が必要だと判断した。一方で過酷なリハビリや別メニューでのトレーニングに、一度も音をあげることのなかった中村の強靭な精神力に一人の人間として敬意も抱いていた。よくぞこの舞台に戻ってきてくれたと」

指揮官が綴った言葉に、中村が愛される理由が凝縮されている。サッカーに対する一途で真摯な姿勢。つらいときにあえて浮かべた笑顔。ベルマーレに関わるすべての人間が、復帰までの軌跡を見守っていた。

「サッカー選手である以上は、(心が)折れなかったらおかしいと思うけど、そこからの切り替えがすごく大事だと言い聞かせました。どのようなリハビリ生活を送るかで、復帰した後のプレーも変わってくると。自分のなかでは、しっかりと切り替えられたと思っています」

気持ちを奮い立たせた日々をこう語る中村は、いまも復帰戦が忘れられないと笑う。

「長い間けがをしていたのに自分のことを覚えていてくれて。(コンサドーレ戦で)出たときにあれだけ応援してくれたことには、すごく感謝しています」

■花開く時

レッズのユースからトップチームへ昇格したのが2005年シーズン。しかし、けががちだったこともあり、3年間で出場試合ゼロに終わると、2008年シーズンからベルマーレへ完全移籍で加入した。

新天地での1年目も、出場5試合、わずか65分間のプレーに終わる。次のシーズンへ向けてチーム編成が議論されるなかで、実績を残していない中村の契約更新が早々と決まる。

当時の菅野将晃監督、大倉智強化部長(現取締役社長)は日々の練習における姿勢を理由にあげた。

「いつか必ず花が咲きますよ」

期待が現実のものとなるのに、そう多くの時間はかからなかった。2009年シーズンに就任した反町康治監督は、中村の体に類希な得点感覚が搭載されていることを見抜く。

3トップの左でレギュラーを獲得した中村は、プロ初ゴールを含めてチームトップとなる14得点をマーク。実に11年ぶりとなる、ベルマーレのJ1昇格に大きく貢献した。

しかし、好事魔多し。再びけがと戦う日々が多くなり、やがてアキレス腱が2度も悲鳴をあげた。ひとたびピッチに立てば、チームのために無理をしてでも戦う。練習にも常に120%で臨む。けがをするリスクと背中合わせのプレースタイルを、しかし、中村は後悔していない。

「それ(けがの理由)がわかれば苦労はしないんですけどね。こればかりは自分自身もどうしたらいいかわからないところがありますけど、それでも自分がやるべきこと、できることをしっかりやっていくしかないと思っています」

昨シーズンは最終的に10試合でピッチに立った。すべて途中出場だったが、11月9日のギラヴァンツ北九州戦では約2年半ぶりとなるゴールも決めた。

完全復活への手応えをつかんで迎えたオフ。J3を戦うFC町田ゼルビアへの完全移籍が決まった。長いようで短かった、というベルマーレでの日々。期待を託されて新天地へ移る心境を中村はこう振り返る。

「けがが多くて、チームに貢献できていなかった。そういうところも踏まえて、このチームでしっかりと結果を出したいと思ってきました」

ゼルビアでも開幕前に右ひざの腸脛じん帯を、シーズン途中の7月には左ふくらはぎに肉離れを起こし、それぞれ長期離脱を強いられる。

残り1試合になった段階で15試合、計271分間の出場にとどまっている。先発は1試合のみ。ゼルビアの一員として、まだゴールは記録されていない。

「それでもモノが違う。ボールが収まるし、味方も使える。あとはゴールを決めるだけなんですけどね」

ゼルビア関係者がこう語れば、相馬直樹監督も頼もしげな視線を中村に送る。

「ようやく調子が上がってきましたよね。これから先の厳しい戦いで、間違いなく力になると思う」

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《藤江直人》
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