今回取り上げるのは、ゴールデンステート・ウォリアーズ対クリーブランド・キャバリアーズのプレイオフファイナル第1、2戦です。
新旧MVP対決といった取り上げられ方の多い今シーズンのファイナルですが、第1、2戦を終えてすでに様々な記録を打ち立てる大熱戦となっています。どうしてもコート上ばかりに目が行きがちですが、ヘッドコーチを見れば両チームとも就任1年目。ファイナルで就任1年目のヘッドコーチが相まみえるのはNBA発足1年目以来のことです。NBA発足1年目は当然、どのヘッドコーチも就任1年目ですから、これはNBA史に燦然と輝く快挙と言っていいでしょう。
ファイナル第1戦はNBA史上最高の視聴率を獲得しました。NBAの"キング"ことレブロン・ジェームズと今シーズンのMVPステファン・カリーの対戦という話題性はもちろんのこと、NBAファイナルへの注目度の高さは明らかです。

ウォリアーズ対キャバリアーズのプレイオフファイナル第1戦
さらに、第1、2戦は続いてオーバータイムに突入する激しいゲームになりました。NBAファイナルで第1、2戦連続でのオーバータイム突入は史上初です。両チームの拮抗した実力、熱の入った姿勢、負けられないという気持ちの強さが表れています。具体的な数字に出るほどの大熱戦を演じるNBAファイナル、今回はオークランドで行われた第1、2戦を振り返ってみます。
まずはウォリアーズから見ていきましょう。前回のコラムで、ウォリアーズの強さはその安定感にあると書きました。NBAファイナルという最高の舞台にあっても、その安定感はウォリアーズの強みであり続けています。接戦の末、オーバータイムで突き放す形となった第1戦は、第1クォーターこそオフェンス、ディフェンスともにやや精彩を欠いていましたが、第2クォーター以降は持ち前の安定感を取り戻しました。
スプラッシュ・ブラザーズが期待に応える活躍を見せ、ベンチメンバーもきっちりと仕事をこなしました。ひとりでは守りきれないレブロンにチームで対抗し、レブロン自身には大量の得点を奪われるものの、チームメイトを生かさせないようにして総合力で勝ちをもぎ取りました。

スプラッシュ・ブラザーズ
爆発力という印象は薄かったものの、勝負どころではカリーがキャバリアーズのファウルを誘ってフリースローを獲得し、得点を伸ばしていく賢いセレクションでチームを勝利に導きました。
スプラッシュブラザーズを中心に得点を稼ぎ、それを周囲が助けながら自分たちも得点を狙っていく。統制の取れた激しいディフェンスで相手のチームオフェンスを抑えこむ。こうしたウォリアーズのチームとしての強さが、第1戦ではしっかりと見られました。
【ウォリアーズ対キャバリアーズのプレイオフファイナル 続く】