一方、1シーズンかけて磨き上げてきたチームで試合を迎えられるウォリアーズは、恵まれていると言えるかもしれません。ただ、それもチームを安定させる重要な要因であり、ウォリアーズの強さの秘密とも言えるでしょう。
たとえばウォリアーズは第4戦を落としましたが、それはカリーの途中欠場が原因というより、ハーデンやジョシュ・スミスらの爆発による部分が大きいです。実際にスコアを見ますと、カリーが一時いなくてもウォリアーズは115点を取っています。得点力に決定的な陰りができたわけではありません。自分たちで崩れたわけではないという意識と、それでも爆発を防ぐためにタイトに行くという姿勢が、第5戦のハーデンのターンオーバー連発を誘ったり、手堅く勝利をつかませたと言えるのではないでしょうか。
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ゴールデンステート・ウォリアーズ対ヒューストン・ロケッツ
そういう意味では、このチームに安定感をもたらした最大の要因は、自身も5度のNBAチャンピオンに輝いているヘッドコーチ、スティーブ・カーなのかもしれません。新旧MVP対決といった形で取り上げられることが多くなりそうな今シーズンのNBAファイナル。
しかしその実、"キング"レブロン・ジェームズ率いるキャバリアーズ対カリーを中心にしてチームで戦うウォリアーズという構図になるのではないでしょうか。ただ、何が起きるかわからないのがプレイオフでもあります。それぞれのチームが突如として別の顔を見せるかもしれません。
いよいよ、今シーズンのNBAの覇者を決める戦いが始まります。