今回は「レーシングカート」に挑戦。教えてくれたのは川福健太選手です。川福さんは昨年はレッドブルカートファイト2014ジャパンファイナルを制してチャンピオンに輝き、日本代表として世界大会に出場して6位の成績を残しました。
2015年は全日本4stスプリントカップ東日本シリーズのシリーズチャンピオンを獲得するなど、レーシングカート界のトップレーサーのひとりです。

川福健太選手
今回、川福さんが千葉県市原市の新東京サーキットへ練習に行くと聞いて、オビナタも出動しました!
レーシングカートとは、パイプフレームにエンジン、シート、燃料タンク、タイヤなど走ることに必要最低限のパーツだけで構成された競技用の車両です。遊園地にある「ゴーカート」は娯楽用の車両になります。

レーシングカート
まず最初に、素朴な疑問を川福さんにぶつけてみました。
---:クルマの免許を持っていなくても乗れますか?
川福健太選手(以下、敬称略):免許はなくても大丈夫です!
---:操縦の注意点を教えてください。
カートは、アクセルやブレーキ、ハンドルの動作がシビアに動きに反映されます。思ったよりも慎重にハンドルを切りましょう。少しハンドルを回しただけでも、予想外に車体が曲がります。ペダルは右がアクセル、左がブレーキです。
---:カートの醍醐味は何でしょう?
川福:スピードを出してコーナーぎりぎりを攻める時など、「楽しい」という気持ちより「怖い」という気持ちが勝ることもあります。しかし、「怖い」という気持ちがある中でいかに挑戦していけるか、というのもカートの醍醐味だと感じます。
また、「機械(=カート)をいかに上手にあつかえるか」という部分がメインでもあり、特にレンタルカートのレベルでは"身体能力が高い必要がない"ことは特徴だと思います。
カートの性能などによって、本格的に上を目指したい人から軽いスポーツ感覚で楽しみたい人まで、その人の目的に合わせた楽しみ方ができる。色々な人にまずは乗ってもらいたいですね。
●レーシングカートに挑戦!
それではレーシングカートに乗ってみます。最初は遊園地で乗るゴーカートを想像していましたが、大きく違っていて驚きました。むき出しのエンジンがカッコいいです。

エンジンはむき出しです
「エンジンがとても熱くなっているので絶対に触らないようにしてください!」と川福選手に注意を受けました。その他、カートの注意事項はこちらです。
●カートを運転する上で気をつけること
・エンジンが高温なので触れないように気をつけること
・アクセルとブレーキを同時に踏まないこと
・小回りがきくので、気をつけてハンドルを切ること
注意するのは基本的にこれだけ。あとは実践の中で試行錯誤です!

エンジンをかけてもらってGO!
いよいよ運転してみます!
クルマを運転したこともないせいか、初めのうちはなかなか慣れずに、アクセルを踏んだり離したりを繰り返して、探りながらの運転。
スリップからのコースアウトを何度も繰り返しました。

スピンして突っ込みました…
しかし、川福さんの運転は流石です。シンプルな運転方法だからこそ、さまざまな工夫、無駄のないハンドルさばき、アクセル、ブレーキの使い分けがシビアに求められます。見ていてとても参考になりました。
事実、オビナタのタイムは川福さんのお手本のような運転を見てからは急激によくなりました。

ホームストレートを走り抜ける川福選手
【やってみた】レーシングカートの川福健太選手
Posted by サイクルスタイル on 2015年11月10日

コーナーで攻めの走りをする川福選手
乗ってみて思ったことですが、とにかく体感速度がスゴい。オビナタは以前空を飛んでいるのですが、体感速度はそれに勝るとも劣らないような感覚です(空気抵抗などは異なりますが)。
また、「小回りがきくので、気をつけてハンドルを切ること」と事前に教わりましたが、いざハンドルを切ってみると予想していた10倍くらいのレベルで瞬時に車体が反応するため、面白いほど自由に運転できました。こんなに運転が楽しいものだったとは!

レーサーオビナタが誕生
慣れてくると、アクセルをずっと踏みっぱなしで運転ができるようになってきました。川福選手にも「初心者のレベルとは思えない」と褒めていただきました。
同じコースを走るため、どこでアクセルを離してカーブするべきか、タイミングの精度が少しずつ向上していきます。これは楽しい。結局、休憩も含めて2時間くらい運転していました。
【やってみた】レーシングカートに挑戦!
Posted by サイクルスタイル on 2015年11月10日
---:カートはどんなところで体験することができますか?
川福:東京都内だと北千住に「シティカート」というカート場があります。手ぶらで行ってもヘルメット、グローブなど必要なものはレンタルできます。施設によっては免許が必要だったりもしますが、基本的にはショップの方のサポートのもとコースで運転を楽しむことができます。競技者としては、見るよりもやってもらいたいですね。
---:東京以外でもできますか?
川福:全国的に見てもカートはどこでもできます。自分の住んでいる地域周辺のカート施設をインターネットで検索してみてください。

カーブでも余裕を見せるオビナタ
---:カートを始めたら、どのくらいでレースに参加できるレベルに到達できますか?
川福:早い人だと2、3カ月でサーキットが開催しているエントリー型のレースに参戦する人もいます。手軽にレースに出場できるのがレンタルカートの良さです。取り組み方次第では命に関わるケガにつながる競技ですが、譲り合いの精神や、最低限のルールを守って取り組めば、明日にでも挑戦できる安全でとても楽しいスポーツだと思います。

オビナタと川福選手
クルマの免許を持っていなくても挑戦できることがカートの醍醐味のひとつ。取材に訪れた日も、小学生が運転に挑戦していました。「早くクルマを運転してみたい!」そんなはやる気持ちを持つ人にもレーシングカートはぴったりだと思います。運転前に簡単なレクチャーを受けるだけです。
免許が無くても乗れるということは操作が簡単ということですが、裏を返すとその分奥が深いということ。オビナタはこの日、レーシングカートの奥深さを痛感することになったのでした。

最後に表彰台に乗ってみました。気分だけでも!