日曜の朝だからなのか、日曜の朝ですらなのか、園内に人気(ひとけ)はまるでない。人気(ひとけ)がなければ、人気(にんき)もないということか。いやはや、そうと決め付けるのは早計である。
むしろ、人気(ひとけ)がなくておおいにけっこう。人気(ひとけ)=人気(にんき)かもしれないが、人気(ひとけ・にんき)がない=魅力がないという方式は成り立たない。その人気(ひとけ)のなさを、魅力的に感じることだってある。人気(ひとけ)がないからこそ、のんびり優雅に山を満喫できるではないか。
下手をすれば全裸で歩くなどという大人気(おとなげ)ない行動ができるのでは? と思うほど人の姿はなく、そのような自由さが味わえるのだから、大人気(だいにんき)になってもおかしくないと思う。あまりに人がいないからといって、心中(しんじゅう)をするような辛(つら)い気分には全くならず、返って清々しい心中(しんちゅう)になる。このような素晴らしい場所を、人気(ひとけ)がないからといって人気(にんき)がないと言ってしまうのは、少々辛(から)口な結論であろう。
【茨城県の浅間山…浅間山(1) 続く】
《久米成佳》
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