男子テニスのデビスカップは3月7日にカナダ・バンクーバーで行われ、地元カナダとダブルスで対戦した日本はフルセットの末5-7、6-2、3-6、6-3、3-6のセットカウント2-3で敗れた。
相手はダブルス世界ランク5位のダニエル・ネスターと、同15位のバセック・ポスピショル。日本は添田豪が同369位、内山靖崇が同222位。ランキングだけで見るならストレート負けもやむなしの対戦。しかし勝負はやってみるまで分からないから面白い。
第1セット先に相手のサービスゲームをブレークしたのは日本だった。会場に詰めかけたカナダのファンを驚かせる、まさかの日本リード。逆転されこのセットは落としたものの、簡単には終わらない予感が漂う。
その予感どおり第2セットは日本が6-2で奪い返した。実力で勝るカナダは何度も日本に圧力をかける。だが添田と内山は強い気持ちで最後まで向かっていった。
最終セットを落とし試合には敗れたが、戦ったネスターも驚く粘りを見せてくれた。ファンも「男子ダブルスで初めてこんな面白い試合観たよ」「ダブルス接戦だった!すぐ負けるとか思ってゴメン!」と、予想を覆す熱戦に見入ったようだ。
これで1勝2敗となった日本。残るシングルス2試合で2勝しなければ敗退が決まる。8日のシングルス第1試合には世界ランク4位の錦織圭が登場する。相手はランキング6位のミロシュ・ラオニッチ。同世代のライバルと互いを意識する2人は、過去6戦して錦織の4勝2敗。しかし2015年1月のブリスベン国際では、ラオニッチがフルセットで勝利している。
速いサーフェスでビッグサーバーのラオニッチが相手。地の利は向こうにあるが、最終戦に望みを繋ぐためにも絶対勝たなければならない。
チームの敗退を阻止するためコートに入る錦織と、ベスト8進出を自分で決めたいラオニッチの試合に「錦織選手、ラオニッチとのエース対決!頑張れ!」「錦織くんが勝たなきゃ!」「まず錦織選手がラオニッチに勝たないと終わっちゃう」とファンもエース対決に注目している。
シングルス残り1試合は1日目と同じ伊藤竜馬が出るのか、それとも長く日本の男子テニスを支え、デビスカップの経験も豊富な添田を起用するか。植田実監督の決断にも注目だ。
《岩藤健》
page top