8月11日が「山の日」として2016年から新たに祝日となる。それほどに山は身近なものであり、山の楽しみ方は、老若男女人それぞれである。
遠くから眺めるのを楽しむ人もいれば、写真に撮って楽しむ人もいる。バードウォッチングを楽しむ人もいれば、森林浴を楽しむ人もいる。近年では、中高年や女性を中心に登山が人気になっている向きもある。歩いて登る人もいれば、走って登る人もいる。
私の山の楽しみ方は、山を歩いて登ることである。しかも、登る山の高さは、ことごとく低い。標高1000mに満たない山ばかりだ。いわゆる、「低山ハイク」である。
私が低山ハイクを始めたのは、今から2年前のことだ。
当時、雑誌の編集をしていた私は、アウトドア特集を企画し、そこに登山の記事も組み込んだ。その企画書を地域のアウトドア界の著名な方に持っていくと、軽くあしらわれた(ように感じた)。そこで、何がいけなかったのだろうと考えてみると、あることに気がついた。
◆初ハイクは、500mに満たない低山
それまで私はまともに山に登ったことがなかった。遠足などで登ったことはあったかと思うが、それ以来登っていない。体験もせずに登山について書くことはできないと思い、企画を体験型のものに変更し、自ら体験してみることにした。
そうして登った山が、標高500mに満たない「低山」(宝篋山。画像参照)である。低山とはいえ、登山取材は厳しいものであった。自然とかアウトドアとか、そのような言葉が醸し出すゆるやかなイメージとはかけ離れていた。それでも企画は続き、その度に私は、嫌々ながらも山に登った。
しばらくして企画がなくなると同時に、私は山に登らなくなった。すると、不思議と山が恋しくなる。それからというもの、自然にプライベートで山へ向うようになった。主に、地元にある低山ばかりだが、暇を見つけては山へ向かい、歩いた。いつの間にか私は、山の虜になっていた。
◆茨城発、小さなハイキングでの発見
そんな登山ビギナーの私ではあるが、山に対する実感や体験を記していく。私が山について書けることは、地元、茨城県の低山が中心になるだろう。既に登山に親しんでいる人には物足りない内容かもしれない。だが、低山には低山ならではの魅力がある。
低山ハイクは、遠出をしなくてもちょっとした旅行気分が味わえる。身近な自然には、大冒険の素材が詰まっている。その魅力を伝えるために私は、小さな山に旅に出るのだ。
《久米成佳》
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