【山口和幸の茶輪記】アイウエア選びは、デザインだけでなく搭載機能や用途に応じて慎重に選ぶ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】アイウエア選びは、デザインだけでなく搭載機能や用途に応じて慎重に選ぶ

オピニオン コラム
ESSのクロスブレード
  • ESSのクロスブレード
  • ESSのクロスブレード
  • ESSのクロスブレードにはクリアレンズも付属する
  • レンズはワンタッチで交換可能
  • ESSのクロスブレード
  • ESSのクロスブレード
  • ESSのクロスブレード
  • ノーズパッドのハイタイプが別売として用意されている
アイウエアを購入するときのチェック項目は、もちろん気に入ったカラーやデザインが最優先項目。そのうえで設計された性能を十分に発揮させるにはフィッティングが重要だし、なにをするときに使うのかで求められる機能も変わる。じつは意外と難しいのがアイウエア選びだ。

販売価格にして1万円から3万円ほどの最新アイウエア。通販サイトで写真だけを見てポチッとするのはあまりオススメしない。実店舗で実際に試着して、そして豊富な知識を持つ販売員に相談などして、自分がどんな使い方をするのかを話題にしながらアドバイスをもらうのが間違いない。さらに全国にいくつかあるスポーツサングラス専門店なら販売価格のなかでフィッティング調整してもらえると思うし、有償とはなるが特殊なチューンナップもしてくれる。

ボクが10年以上愛用しているのはアイウエアのトップブランドであるオークリーだ。通常レンズのモデルをベースに、度付きレンズを特注したスポーツタイプ、日常生活の中で着用するモデルに度付きレンズを入れたものなどを所有し、出張取材やサイクリング遠征などのときは3種類ほど持っていき、状況に応じて使い分けている。

信頼性あるオークリーなら間違いはないのだが、ただしすべての状況で万能ともいえないのが難しいところ。例えば値段としても高価な偏光レンズはクセモノだ。海面のギラギラがなくなりマリンスポーツではとても役立つ。アウトドアライフの中でも景色がきれいに見えて、これからの季節なら紅葉が鮮やかに感じる。ロードバイクでもさまざまな恩恵がある一方で、マンホールが濡れて見えてしまう。トレイルランでは落ち葉に霜が立っているように見える。そんな幻覚にとまどうことがあるのは確かだ。要は「高ければ最高」ということではなくて、レンズなどの特性を把握した上で適正に愛用することが求められる。それにはかなりの知識が必要なことも。

最新モデルなら間違いなくUVカットレンズで、フィッティングもフレキシブルに調整できるものが多い。あるいは日本人の顔の形状にマッチした交換パーツが用意されるなどで悪いところはほとんどカバーするようにできている。ただしこれらは非常に専門的知識が必要なので、通販サイトの画像だけで購入を決めると意外と失敗することがある。

そういった無駄遣いをなくすために、アイウエアを購入するときはしっかりと機能性を勉強してからにするか、それが面倒ならプロに相談するかだ。山形県長井市にある金栄堂の那須丈雄さん、埼玉県草加市にあるサングラスミュージアムの細木保俊さん、川崎市多摩区にあるメガネナカジマの中島正貴さんなど全国には豊富な知識と在庫を持った専門店・プロフェッショナルがいる。ボクはそういった人を頼ったほうがいいと思う。

ボクがこの夏から愛用しているモデルはESSのクロスブレード。米国のESS(Eye Safety Systems)社は米軍などが愛用するサングラスメーカーで、日本を含む世界120カ国以上の軍隊、警察、消防、特殊部隊やレスキュー隊で使用されている。そのスペックの高さから、自転車やマリンスポーツなど強い日差しのもとで長時間過ごすアウトドアアクティビティでも日本では浸透しつつある。1998年に設立され、2007年1月にオークリーと合併。オークリーのミリタリー部門として技術提供を受けているという。

ESSのクロスブレード

最新モデルのクロスブレードは弾丸もはね飛ばす最強アイウエアなのだが、実用レベルとしては曇りにくいという性能がオススメのポイントとなる。湿度の高い日本ではベンチレーション機能をうまく設計した海外モデルを駆使しても、例えばトレイルランのように移動スピードが遅いわりに運動量が多いスポーツをしているとレンズの内側が曇ってしまうことがある。

サイクリングでは平たん路での高速巡航で曇ることはないと思うが、発汗する夏場の山岳コースで、しかも木々が生い茂った峠道になると必ず曇るポイントがある。それを回避するために最高レベルのモデルを入手したというわけ。パッド高が長い日本人向けノーズピースも別売されているのでフィッティングも容易にできるのがいい。この冬は鎌倉のトレイルコースで活躍しそうだ。
《山口和幸》

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