さいたまで海外選手が日本の伝統体験…異文化交流で自転車レースの認知度が高まる | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

さいたまで海外選手が日本の伝統体験…異文化交流で自転車レースの認知度が高まる

スポーツ 短信
ツール・ド・フランスで活躍した選手が等身大のひな飾りに!
  • ツール・ド・フランスで活躍した選手が等身大のひな飾りに!
  • ツール・ド・フランスさいたま出場選手が着物姿で集合写真
  • さいたまの魅力にふれてほしいと話す、さいたま市の清水勇人市長
  • 前日記者会見では市内の中学生らが英語でインタビューをするなど、さまざまな試みが行われている
  • 4年連続で来日しているフルームも日本文化体験を楽しみにしているという
  • 餅つきに挑戦したツール・ド・フランスの4賞ジャージ獲得選手
  • 「とてもおいしい」とフルーム
  • さいたま市岩槻区は人形の町だ
ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム参戦のために来日した海外トップ選手が日本文化にふれる恒例行事が、大会開催前日の10月28日にJRさいたま新都心駅とそれに隣接するさいたまスーパーアリーナで行われた。

来日選手が日本の伝統文化にふれるイベントはこの大会ならではの試みで、選手やそれを手伝う市民も楽しみにしている。第1回は大相撲・豪栄道の母校として知られる埼玉栄高の相撲部や剣道部に入門。第2回は県立与野高の書道部に。第3回は弓道と箏(こと)演奏に挑戦した。そして今回は同市岩槻区に伝わるジャンボひな壇、和装練り歩き、そして餅つきにチャレンジだ。

今大会は初めてツール・ド・フランスの4賞ジャージ(個人総合優勝、ポイント賞、山岳賞、新人賞)獲得者がそろったが、各賞のイメージカラーに合わせた特注の紋付き袴が用意された。その他の選手は伝統的な黒装束で、家紋を入れる部分には大会ロゴと各チームのロゴが入れられた。全選手は着物学院の生徒たちによって着付けを済ませ、さいたま新都心駅の東西自由通路に集合。岩槻商高書道部が歓迎の横断幕を掲げて出迎えた。

ツール・ド・フランスさいたま出場選手が着物姿で集合写真
写真提供:2016ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム/(c) Yuzuru SUNADA

さらにはスーパーアリーナの特設会場に設置された3段ひな飾りへ。主要6選手が実際のひな人形の衣装を着て、人形の町「さいたま市岩槻区」に伝えられる等身大のひな飾りに挑戦。

五人囃子はマルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ)、アダム・イェーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ)、ペーター・サガン(ティンコフ)、ラファル・マイカ(同)、ロメン・バルデ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル)。お内裏さまの男びなはクリス・フルーム(スカイ)が担当した。その後は餅つきに挑戦し、全選手が自分たちでつきあげた日本の伝統食である「お餅」を口にした。

餅つきに挑戦したツール・ド・フランスの4賞ジャージ獲得選手
写真提供:2016ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム/(c) Yuzuru SUNADA

過去3回の日本文化体験は市内の学校などで開催されたため非公開だったが、今回はJR改札外の自由通路や一般解放されたアリーナ内で行われ、市民も恒例行事を目撃することができた。JR駅通路ではあっという間に人だかりができ、金曜日の夕方に駅を利用する人たちが選手たちをしきりに写真に納めていた。

歓迎役の高校生女子もすでにお目当ての自転車選手をリサーチ済みのようで、サガンやキッテルらと自撮りをするなど楽しんでいた。すでにさいたま市民の間では「クリテリウム」という難解な専門用語も浸透していて、それがロードレースの1種目であることも広まっている。レースだけでなくこうした異文化交流を継続することで自転車レースファンの増加に一役買っているのは間違いないと感じた。
《山口和幸》

編集部おすすめの記事

page top