ブンデスリーガではマインツとの開幕戦こそ先発フル出場したが、その後は5試合のうち途中出場で2度、合計で46分間プレーしただけ。UEFAチャンピオンズリーグに至っては、ベンチ外となった王者レアル・マドリード戦を含めて、まだ一度もピッチに立っていない。
「こんなに試合をやっていないのは、僕も初めてなので…」
イラク代表とのワールドカップ・アジア最終予選(埼玉スタジアム)を戦うために3日に一時帰国。埼玉県内で行われている直前キャンプに一日遅れで合流した香川は、試合勘が鈍っているのでは、という質問に対して困惑した表情を浮かべながら、こんな言葉を残している。
「その意味では何とも言えないですけど、だからこそしっかりといいトレーニングを積んで、試合でやるだけだと思っているので。あとは自分の気持ちを、どれだけ前向きにもっていくか。地道にやっていければいいんじゃないか、と思っています」
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香川真司 (c) Getty Images
■新戦力の台頭でベンチに座る時間が長くなる
トーマス・トゥヘル監督体制で2シーズン目を迎えたドルトムントは、オフにDFマッツ・フンメルス(現バイエルン・ミュンヘン)、MFイルカイ・ギュンドアン(現マンチェスター・シティ)、MFヘンリク・ムヒタリアン(現マンチェスター・ユナイテッド)といった主力がチームを去った。
一方でマリオ・ゲッツェをバイエルンから3年ぶりに呼び戻し、さらにヴォルフスブルクからはアンドレ・シュールレも獲得した。ドイツ代表のワールドカップ・ブラジル大会制覇に貢献した両MFは香川とポジションが重複するうえ、前者は24歳、後者は25歳と27歳の香川よりも若い。
加えて、ともに19歳のフランス代表FWウスマン・デンベレ、トルコ代表FWエムレ・モルをはじめとする若手の新戦力も台頭。彼らのあおりを受ける形でベンチに座っている時間が長くなっている状況を、香川は努めて冷静に受け止めようとしている。
「うーん、いまは我慢ですし、チームにおいては別に自分自身が悪いわけではないので。それ以上に新しく入った選手やこれまで結果を残している選手がいるので、彼らが試合に出るのは当たり前の話。競争に勝つために日々やるしかないし、そのチャンスを自分はいま、ドルトムントでうかがっている。
代表に関しては9月に2試合戦って、1カ月くらい時間が空くなかで、ドルトムントで試合に出られないのはフラストレーションが溜まりますけど…。もちろん試合に出ることがベストですけど、僕はこれからだと思っているし、シーズンは始まったばかりのなかで、何も悲観する必要はないと思っています」
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